D.gray-man Novel | ナノ



D-gray.man


はいみなさんこんにちは!!
私はアレンの彼女をやらせて頂いております、ななこです!!!
今日はハロウィンですね〜
昔、まだ教団に来ていなかった頃、よく仮装して隣近所をうろついたものです。
今は黒の教団に属して3年目くらいですけど、楽しくやっております。

楽しいのは多分アレンのおかげです。

そんなアレンにお菓子を作ろうと思い、ジェリーさんに厨房を借りたのですが、何を創ろうか悩んでおります。
いや、アレンって大食いですよね?
ボリュームがあるのを作ろうか…など、乙女・ななこは彼氏のために一生懸命考えているのです。
ジェリーさんやリナリーに相談した所、悩んだ末カップケーキを作ることにしました。
みたらし団子と最後まで悩んだのですが、そういえば私がみたらし団子の味を知らない事を思い出し、諦めました。


「よし、作ろう」

ジェリーさんに作り方のコツなどを教わった紙を見ながら、腕まくりします。
材料はジェリーさんに準備して貰いましたし....

はい、そこ!
全てジェリーさん任せだねなんて言わないの!
ななこちゃん悲しくなっちゃうわよ!!!


「これを混ぜるのね…」

きちんとコツが書いてある紙を見て、泡立てないように混ぜます。
そして型に流し込み...
流して...
流して...
流して...
流して....

アレンの事を考えてざっと80個分をアレンに、あとの20個ほどを他のみなさんにあげようと思い、全100個分に生地を流しました。


「オーブン、オーブン」

流石、一度に何百人の料理を作る厨房。
2回くらいで全てのカップケーキを焼けそうです。



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次の角には司令室がある。
さっき作ったカップケーキを手にななこは曲がる。

「失礼しまーす、コムイ室長ー」

中央の机に珍しくコムイが座っている。
しかし、返事はない。

「室長?」
「なんだい?ななこちゃん」
「あ、起きてらしたんですね。 はいこれ」

科学班全員分のカップケーキをそれぞれ包んだ箱を渡す。

「余ったのであげます」

これは言葉だけだ。
照れくさいのでななこは嘘をついているのだ。

「あぁ、そうか。今日はハロウィンだったね、忘れてたよ」
「では〜」
「ありがとー、ななこちゃん。
 しまったなぁ..僕も何か作ればよかった」
「駄目ですよ、室長。仕事して下さい」

リーバーの声が冷たく響く。



ななこがやっぱり自分で作ったお菓子を受け取っってもらえると嬉しいなと考えていると、ラビに出会った。

「Trick or Treatさ、ななこ」

手を出してラビが言う。

「はいどうぞ」

科学班のカップケーキの箱と同じものをななこはラビの手に乗せる。

「お、準備いいさ〜」
「でしょ♪」
「今からななこの部屋に行ってお菓子を貰おうとしてたんさ」
「じゃあ今から私の部屋に来る?
 山葵をあげるよ」
「い、いや遠慮するさ。 じゃあな、ななこ」

山葵という名がでたことで、ラビは何処かへ行ってしまった。
ななこはアレンのもとに向かった。




トントン


「アーレーンー?」

アレンの返事を待たずして、アレンの部屋の扉をななこは開ける。

「あ、ななこ。Trick or Treat!! 出来ればお菓子が良いです」

アレンが笑顔で言う。

「そこで注文つける? どうぞ」

ななこはさっき作った大量のカップケーキが入っている箱をアレンに渡す。

「それさっきアレンのために作ったの。 食べて?」
「本当ですか!!? 嬉しいです!!」

アレンが受け取った箱を開けようとする。

「あ、待って。 私からも…
 Trick or Treat!!」
「ぇえ!!? 僕、何も準備してませんよ!」
「いいのよ、あなたを貰うから♪」
「え…///」



私にとってお菓子は、甘い刺激をくれるあなたのことなの。






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