D.gray-man Novel | ナノ



D-gray.man


2月14日です。
今日も快晴。
黒の教団は今日も平和です。

と、思うのは外部の人だけです、きっと……



こんにちは。
私はエクソシストのななこです。
そして、私は窮地に立たされています。
この1週間本当に怖かった。
どこに行っても、

「…甘いものが食べたいなぁ」
「チョコ美味しいよな」
「疲れた時には甘いものって言うよな!」
「14日?なんかあったっけ」

みなさん、私にチョコレートをくれと言ってるんですか?そうなんですか?
怖いです、みなさん。

と、いうことで私はたくさんチョコレートを作りました。
こんなに作ったことはもうこれ以上ないと思います。
今年も作ろうとは思ったんですよ。
仲のいい人5〜6人ね。
軽く300作るとは誰も思いませんよね、ありえませんよね。
私が持っている袋に全て入ってます。

そして、私はチョコレートを渡す旅に出ています。




今やっと半分くらいになりました。
朝から渡して、今15時なのに、まだ半分ですよ!!?
…疲れた。

「あ、ジョニーさん!!」
「ななこ?どうしたの?」

彼はチョコレートをせがまなかった内の1人です。

「チョコ作ったんです。どうぞ!」
「ホント!!?ありがとう!!!」

笑顔で受け取ってもらうと嬉しい。
すぐに別れを告げ、次の人を探す。
みんな仕事だけあって、科学班の出張やら研究などで、走り回らないといけません。

「タボンさん!」
「ヒメノミさん!!」
「バミューシャさん!!!」

たくさんの人に渡す。
全部男の人です。

走り疲れてきたころに、方舟がある場所についた。
そこには任務帰りのエクソシストいた。
今日あれ、私を置いて、エクソシストのみんなは任務に行ったんですよ。

「ななこ!!」
「リナリー!!」

もちろんリナリーも任務に行っていました。

「おかえり!」
「ただいま!!」

リナリーと私は抱きつく。

「リナリーリナリー!!」
「何?ななこ」
「チョコ作ったの、貰って!!」
「本当!!?ごめんね、私任務で今年は作れないの…」
「やだ、気にしないで!!寧(ムシ)ろこっちがごめんだよ、私だけ任務にも行かないで…」
「何言ってるの!今日のななこの仕事はチョコを渡すことなんでしょ?」
「やっと3分の2くらい渡せたよ」

リナリーが急に小声で言う。

「ラビには?」
「はい?何でラビ、なの?////渡すつもりだけど……/////」
 (なんてこの娘は自分の気持ちに気付かないのかしら…)
 (どうみても、ななこはラビのこと好きっていう行動なのに……)
 まあいいわ、早く渡してきてあげて。神田にもアレンにもね」
「うん!!」

何がいいのかしら?
急に恥ずかしいこと聞かないでよね!!
解らないけど、渡さないと私のチョコレートに埋もれた日は終わらないので、渡します。

「神田さん!」

方舟から1番近くにいた神田さんを呼ぶ。
私達が話している間に他のメンバー(ミランダ、クローリー、ラビ、アレン、神田)はすたすたと部屋に帰るなりしていました。
神田さんに駆け寄る。

「…何だ?ななこ」
「バレンタインでしょ、今日!はい、チョコレート!!」
「お、おう。ありがとう」

神田さんが頬を染めてる…
可愛い(笑)

「いえいえ!」
「ちょ、バ神田!早くして下さいよ、報告書制作しないと……あ、ななここんにちは」
「こんにちは〜任務お疲れです」
「ななこも留守番お疲れ様です」
「アレンさん、チョコレート作ったんです。貰ってくれませんか?」
「くれるんですか!!?ありがとうございます!!!!」
「いつもの感謝ですよ」
「それでも嬉しいです!!!!!」

チョコレートを渡すと、泣いて喜んでくれました。
どこにそんなに喜べる要素があるのか解らないけど、喜んでもらえて嬉しいです。

「それじゃ、私、ラビさんにも渡してくるので!」
「本当にななこ〜あ゛り゛がどう゛ござい゛ま゛ず〜!!」
「お、落ちついて下さいよ、アレンさん!」
「何してんだ、馬鹿モヤシ」
「ずび。バ神田なんかに言われたくありません!」

…口喧嘩してるけど、ラビさんの所へ行ってもいいかしら。
じゃあ行きます〜と小さく言って、アレンさんと神田さんの喧嘩声が届かないところまで歩いた。


ラビさんを探す。
けれど、居ない。
そうだ!
確か報告書作成するって言ってたよね。
じゃあ居るのは談話室か図書室。
でも今回は大人数だから、きっと談話室だ。
談話室に行こう!

そう決めて、くるりと向きを変えたときでした。

「ななこさ?」

ラビさんがいました。

「こん、にちは!ラビさん」
「その変な間はなんさ」
「何でもないです!
 それより、チョコレート…」

持っていたチョコ用袋に手をつっこむ。

あれ…?
ラビさん用のがない。
袋の中を見ても、ない。

「ご、ごめんなさい!!忘れました!!!!」
「え?」
「わあああ、穴があったら入りたい!!!きっと私の机の上です!!!!」
「わ、忘れた!!?」
「本当にごめんなさい!とってきます!!!」
「じゃ、じゃあいっしょに行こうさ」



忘れたッ!!
(彼のチョコだけ少し特別で、机の上に置いていたのはすっかり忘れてたんです)


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