D.gray-man Novel | ナノ



D-gray.man


外は雪が降る。
雪が降っていようが、関係なく、科学班には仕事が回ってくる。

どんどん溜まっていく書類。
どんどん積まれていく書類。
どんどん疲れている…ななこ。

ななこは2年目の本部科学班の一員である。
しかし、今年はもう終わりだというのに、大量に書類が回ってくる。
これでは書類なしでお正月を迎えれないかもしれない。
クリスマスではコムイに引きまわされ、散々なパーティーを過ごした。
そのお陰で遅れている部分もある。

彼女は山積みの書類を見たくなくて、自室で書類を捌いている。
リーバー班長のずるいぞ!とか、ジョニーのどこいくのぉ....とか全然聞こえてない聞いてない。
ていうか聞いてたら負け。


自室に備え付けてある机につっぷす。

「……疲れた」

しかし、これを終わらせないと眠れない。
気力のみで状態を起こす。
そして、書類に取り組む。
この書類は計算タイプだ。

「…予算に関係するやつじゃん」

予算は新年明けるとすぐに予算会議が行われる。
……間違えれない。

ななこは軽くため息をついて、ペンを握り直す。
そして解こうとするが……

「あれ?ここ足し算?引き算?割り算?…まさか掛け算?」

この問題の解き方が解らない。
解き方が解らなくては、どんな計算ができても答えが出るはずもない。

足し算、引き算、割り算、掛け算を順番に試してみた。
だが、しっくりくる答えは出てこない。

ななこが唸っていると、部屋の扉が開いた。

「ななこ〜?」
「…ラビ、ノックくらいしてよね」
「大丈夫さ!オレとななこの仲なんだし」
「マナーよマナー!」
「はいはい」
「で、どうしたの?」
「え?科学班の所に行ってみたらななこがいなかったから、終わったんかなって」
「ごめん〜まだ終わってないの…」
「そうなんさ?」

ラビはななこのベッドの端へと腰かける。

「どっかの誰かの所為でお正月までかかりそうだよ」
「…コムイか。ま、大丈夫さ。終わるって」
「簡単に言ってくれるよ〜…」

ななこは一応手は動かしながら、会話する。
しかし解けない。

「うぅ〜」
「……どうしたんさ?」
「…解けないの」

科学班のプライドだってある。
だけどそんなもの守ってる場合じゃない。
安息のお正月を。
楽しい年明けを。

君と笑顔でそれらを過ごすために。

「ねぇ、教えて?」
「ん〜?
 ああ、これは、ここを足して、そのあとでこの√だけ残して割るんさ」

――ほら、掛け算はなかった!!

そう思っている場合ではない。

「あ、凄い!!できた!!!」
「だろ?ポイントは先に足すことさ」
「成程ね!ありがとう、ラビ!!!」

ラビがニッと笑う。



ななこの悩みはオレの悩み!
(当然さ!)
(優しいラビが好き!)
(オレも素直なななこが大好きさ!!)
イチャイチャし始めます。笑





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