D.gray-man Novel | ナノ



D-gray.man


キーンコーンカーンコーン…

予鈴が聞こえる。
ここは第一理科室。
ななこの掃除場所でもあるので、5分前行動として、早めに来ていた。
だが、誰もいなかったので一人、椅子を出して座っている。

――みんな、5分前行動してよー…

一人で寂しかった。


また時計の針が動く。
ななこがここに来て4回目。
もうすぐ掃除開始時刻だ。
因みにこの学校では掃除に遅れると掃除後の反省会で指導、という素晴らしく嫌な特典がついてくる。

――早く来てー><

時計を見ながらそう思う。


ガラガラ


そう音を立てて、剣道で全国大会へ行っている神田ユウが入ってきた。

――…この人と二人きり……?

彼はかなりのイケメンだが、性格に少々難がある。
短気で暴力的だそうだ。
ななこは同じ掃除場所になったのはなったが、あまり話したことはなかったため、少し険悪な雰囲気が流れる。


キーンコーンカーンコーン…

とまたチャイムが鳴り、その空気を破る。

「他の人が来てないけど、掃除始めようか、神田君」
「…ああ」

ななこはそれだけ言うと窓を開け始めた。
理科室の窓際はたくさんの実験器具や生物が飼われている。
だから、中々鍵に手が届かない。
いつもなら、同じ掃除場所の男子がやってくれているのだが、今日は何故か遅れているためそうはいかない。
精一杯手を伸ばし鍵に手を掛ようとする。
しかし、もともと身長が低い為手が届かない。

「うーん…」

ふわり、と石鹸の香りがする。

「…?」

神田がななこの上に覆い被さり鍵を開けていた。

「あ、ありがと! 神田君!!」

近くで神田を見るとななこはかなりドキドキしてしまった。



Could you open the window?
(窓を開けて下さいませんか?)
(彼を気にし始めたのは、まさにこの頃)





[] []
[back]
[TOP]
×