D.gray-man Novel | ナノ



D-gray.man


活気付く国。
しかしそれは戦争需要のためだ。
戦争の兵士がこの国を利用するため、明りが灯る街。

それを、ディック――

―――後の、"ラビ"とブックマンが裏歴史を記録しに訪れていた。






「…ク。
 ック…
 ……ディック!」

急に鮮明に聞こえた声。
昼寝に徹していたオレは飛び起きる。


「…なんさぁ〜 ジジイか」
「'なんさぁ'とはなんじゃ、'なんさぁ'とは」
「うっせぇジジイさ」

「ブヘッ」

ジジイのキックが飛んできた。
ジジイ、キレたのか?
高血圧で死ぬぞ、ジジイ。

「貴様…絶対ワシの悪口を言っておろう」

ジジイ、気のせいさ。


オレは頬を摩りながら、聞く。

「んで、なんなんさ」
「…動きだした」

今調べているのは、この国の国王だ。

ここは王の城がよく見える丘。
風で揺れる木の日陰が心地よい。

そこから何かが見えたのだろう。

「行くぞ」

オレもその何かを確認するため、立ちあがり背伸びをする。

捉えた。

ありゃ、国王の馬車さ。
国王が馬車を使い、外出しようとしている。
門が開き勢いよく出発した。

ジジイが走りだし、オレもそれについて行く。

今回の作戦はこうだ。
王が馬車を使う時に、ジジイが道路を渡る。
ジジイは撥ねられる
慰謝料を貰う為に城に入って、気に入られ、臣下として使ってもらう。

―こういう寸法だ。

ジジイにしては、適当な作戦だと思わないさ?
もっと密な作戦を期待してたのにさー…




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ドンッ

やっぱり痛そうさ。

ジジイは態と道に出て、王の馬車と接触。
まあ、ジジイのことだから、命に別状はないんだろうけどさ。

「だ、大丈夫ですか!!!?」

馬車を操っていた臣下がジジイに駆け寄る。
オレもついでに駆け寄る。

「おじいさん!!!!」

因みにオレはジジイの孫設定だ。
おじいさん、なんて呼ぶの吐き気がする。。

「何をしておる!!!」

馬車が止まった事に不審に思ったのか、王が馬車から出てくる。
そして、出てきた瞬間、状況を把握したらしい。

「すいません、私としたことが…」
「お前はよい。
 この方のお孫さんでしょうか?
 ワシの部下が粗相を、すいませんでした」

大きな体で頭を下げる王。
オレ等がこの国の市民ではない、つまり軍に関係している者だと思っているのだろう。
王にとっては軍は神のようなもの。
こんな景気をもたらしてくれているのだから。

「いえ、ボクの不注意もありますし…」

だーーー!!!!!
ボクって何さ、ボクって!!!
吐き気が…


「どうしたのですか? お父様―」

馬車からもう一人の声がする。
高い女の声だ。

そして、顔を出す。




そこで、不覚にもオレは、恋を体験してしまった。






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