07:ぎこちなく合った目の奥にいる私を愛してね


「浮竹隊長に檜佐木副隊長、」

「おぉ、名前、」 「名前姉さん」

浮竹隊長に薬を渡そうとしたら先客がいた

「朽木と旅禍の子ですか?」

「あぁ、織姫ちゃんだよ、冬の決戦に向けて修行中だ、一月前からね」

「なんか……修行にしちゃ楽しそうにやってますね」

「あ、やっぱりそう見えるかい?……あれは昔から友達を作るのが下手な子でね」

まあ、なかなか心を開かない所為なんだが、と言う浮竹隊長に薬を差し出せばお茶と一緒に流し込む
薬名簿に記帳してる間に朽木と旅禍の子を盗み見る

あの人間の子は戦いに向いてないな、

「あ、名前さんも、これ今月分の瀞霊廷通信です、あと中に通販目録も」

「ありがとね、現世の子供用品は本当に便利なのよ」

「まさか名前が、母親だなんてなぁ」

「もう100年も前からでしょ?」

あ、檜佐木副隊長、と声を掛ける

「顔色がよろしくないですよ、あと四月と言えどもいつ戦いが起こるかわかりませんから体調には気をつけてくださいね」

「名前姉さんには叶わないっすね」

もうちょいヒマな時にまた誘ってください、と浮竹隊長に話す彼を見ながら浮竹隊長が呟く

「心を癒すには短く、力を蓄えるには更に短い時間だ…」

願わくばこの仮初の平和が……少しでも長くーーー








空座北部に十刃と見られる破面!!数は4!!日番谷先遣隊と交戦状態に入りました!!

「朽木っ!!」

「はい!!こちらにも今報告入りました!!」

旅禍の子と朽木と浮竹隊長が話す様子を見る

「浮竹隊長、私も参りましょう」

卯ノ花隊長にも伝えておきますし、その方が良さそうでしょう?と言えば、助かると返される

「先に行って待っておるぞ、」

朽木と一緒に旋回門を通る

「そんな深刻な顔をしなさんな、藍染惣右介の思う壷よ、」

「苗字三席、…………この霊圧は一護!?」

「待ちなさい!朽木!」

始解をし、黒崎一護に駆け寄る朽木を見る、
始解で凍らせたと言えども、致命傷では無いはずだ

「……ナメんじゃねえぞ死神……」

薄皮一枚凍らせて……それで俺を殺したつもりか……!?

"六杖光牢"

「だからナメんじゃねえぞ、って言ってんだろうが!!この程度の、小細工!!」

「どこ迄がこの程度かしら?」

「縛道の六十三"鎖条鎖縛"!!」

出産の付が回ってきたのか、縛道の連発に体力が持たない

「縛道の七十九"九曜縛"!!」

「千手の涯 届かざる闇の御手 映らざる天の射手 光を落とす道 火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ 光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔 弓引く彼方 皎皎として消ゆ 」

「破道の九十一"千手皎天汰炮"」

果たして、2人を庇いながら私は彼を殺せるだろうか、
せめて、斬魄刀さえあれば、
四番隊は必要最低限持ち歩く必要が無いと言われてるため斬魄刀はしばらく隊舎だ
不運なことにかつてこれほどの敵に会ったことがあるだろうか、

相手が虚閃を打つのが分かる、せめて、朽木と黒崎一護を守らないと、

「飛竜撃賊震天雷砲!!」

今の自分にはダメージを削る闘い方しか出来ない、
2人を咄嗟に庇い、虚閃を受け止めるがダメージが大きすぎる
そしてどんどん意識が遠のいていくのが分かった












懐かし声が聞こえる、薄目を開ければ真子の背中が見えた気がする

「…………真子?」

お願い、顔見せてよ、貴方の顔が見たい

「ねぇ、真子、今も、昔も好き、」

死にかけてる今、何を言ってるんだろう

「幸せに、なって、」

夢の中でようやく伝えたいことを言えたからもういいかな?

何となくだけど、いつもより切ない、アホやなァ、という声が聴こえた気がした

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