明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件 | |
氷川の海舟屋敷の黒板塀をくぐったのは神楽坂の剣術使い泉山虎之介。この男、時はもう明治十八九年という開化の時世であるが、酔っぱらうと、泉山虎之介タチバナの時安と見得を切って女中のホッペタをなめたがる悪癖がある。 虎之介は幼少のころ、海舟について剣術を習ったことがある。そのころの勝海舟はいたって貧乏、まだ幕府には重用されず、剣術や蘭学などをメシの種にしていた。習うこと二三年、海舟が官について多忙になったので、山岡鉄舟にあずけられた。そのとき虎之介は今なら小学校四五年生ぐらいの子供、それからズッと山岡について剣術を学び、今は神楽坂で道場をひらいているが、あんまりはやらない。 虎之介は海舟邸の玄関で、籐のイスに腰を下して、頭をおさえて考えこんだ。これがこの男の変った癖で、心配事があって海舟屋敷を訪れる時には、玄関の籐イスに腰かけて、頭をかかえて今更のように考えこむ。そのせいで、籐イスは脚が外れそうになってグラグラしている。彼の図体が大きいからだ。 |
テキストは青空文庫にて、坂口安吾 「明治開化 安吾捕物」から一部抜粋させて頂きました。 PCサンプル:その1/その2 授業中にふと思いつき、帰ってから形にしてはみたものの、思った以上に読み辛いという結果に…。 なので共有雛型には投稿しませんが、せっかくなのでサイト内配布してみます。 もし自分が使うとしたら、季節やイベントにちなんだ小規模の企画テキストとかでしょうか…。「見せ方」にこだわりたい方へ! ナノ独自の振り分けタグを使用しているため、ナノ以外で使う際は振り分けタグも編集して下さい。 分からない点などありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。 ▼HEAD内 ▼全体レイアウト (■〜■間を編集すればOKです)▼フォントやタイトル位置いろいろサンプル 中央下寄せ(align="center" valign="bottom") 右上(改行で少し上に余白を作ってます/align="right" valign="top") ※このページは右下(改行で少し下に余白を作ってます/align="right" valign="bottom")です |