◎ 01 「コーヒー飲む人ー」 「あ、俺飲む」 「翔音くんは飲む?」 「?……のむ」 3人分のコーヒーをカップに入れてテーブルに置く。 お好みでミルクと砂糖も用意した。 私はどっちも入れるタイプ。 朔名はミルクのみ。 翔音くんは………どうだろう。 「「「……(ゴクリ)」」」 「ぶぅぅぅっ!!!!」 「うぶほぁぁあっ」 「あ」 翔音くんが吹き出したコーヒーが朔名の顔に見事ヒット。 「……まずい」 「翔音くん、砂糖いれなかったの?」 「砂糖?」 「コーヒーは苦いからね。甘くするために砂糖いれてもいいんだよ」 「……変な飲み物」 「俺の心配は誰もしねぇのかオイ」 「あ、生きてる?」 「何の心配してんだ」 「冗談冗談。でも派手にやられたねー。水も滴るなんとやら」 「“いい男”って言いたくねぇんだろお前」 それ以来翔音くんがコーヒーを飲むときは必ず砂糖をすすめるようになり、彼が甘党になったとかならないとか。 そんなある日曜日のこと。 === (なるべく俺の近くでコーヒー飲むのはやめてくれえええ…) (翔音くーん、今日もコーヒー飲むー?……ブラックだけど) (小声で何言ってんだっ何で楽しそうなんだああああ) prev / next [back] |