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朔「なあ、これで買い物終わりか?」

『えーっと……あとは、包丁かな。そろそろ新しいのかわないと、今使ってるやつもう古いし』

翔「……包丁?」

『うん、多分この近くに置いてあるとおもうんだけど……、』






朔「……あ?翔音のやつどこいったんだ?」

『え?あれ、さっきまでここにいたのに……』

朔「もしかして包丁さがしてくれてんじゃねーの?」

『そ、そう、なのかな』

朔「多分……あ、翔音来た」

『え?』





翔「……これ、包丁」

『あ、もってきてくれたんだ!!ありが…………って、ちょ、生身!?パッケージは!?その包丁がはいってたはずのパッケージは!?』

翔「いらないから捨てた」

『何してんのぉぉぉぉぉ!?』

朔「ははっ、さっすが翔音だな」

『笑い事!?これ売り物だから!!まだ買ってないのに開けちゃったらまずいでしょ!!』

翔「……せっかく持ってきたのに」

「『………………』」






翔「……何してんの」

『え、……頭、撫でてるの』

翔「何で」

『だっ、だって……、拗ねてる翔音くんが、可愛くって……』

翔「……俺のこと馬鹿にしてる?」

『そ、そんなことしてないよ!?』

翔「ふーん……」

『(ものすごい不機嫌な顔してるけど、私の手を振り払うこともなくされるがまま……)』


『(……満更でもない、のかな)』




朔「(あーあー見せつけちゃってんなあ……、俺の存在……つかここが客がたくさんいるデパートだってこと完全に忘れてるだろ)」


そんなことを思いながらも微笑んでいる朔名のことも、ちらちらとこちらを見ている他の客たちのことも、私と翔音くんは全く気づきませんでした。

あのあと結局パッケージのない包丁は買いました。

レジのおばさんに変な目で見られたけど、別に盗もうとしたわけじゃないからね!!

今日の夕飯からは翔音くんが選んだ包丁で料理です。
せっかくだから翔音くんの好きなものをつくってあげようかな。


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