(オプティマス×ラチェット)R18



声と共に縺れるように倒れこむ。オプティマスによって宿望は叶えられ、それは惜しげもなく与えられる。繰り返し唇を合わせて舌を突き出し、唾液がだらしなく溢れるのを自覚しながら、ラチェットは滲む涙を堪えようと目を瞑った。欲火の熱をまとった大きな手のひらが余すところなく、全身を愛撫する感覚に震える。与えられるものは快感だけで、オプティマスが懸念した嫌悪も恐れもない。
「大丈夫かい、ラチェット?」
「見てわかるだろう…気持ちいいよ」
「よかった。私も今とても気持ちがいい」
熱に浮かされた声に急かされて、ラチェットは小さく喘いだ。自制の利かない体はオプティマスを受け入れるために稼働し、取り出されたコネクタも未だ秘したレセプタもしっとりと濡れている。そうして躊躇なく恥部に触れられたショックで、ラチェットの腰が跳ねた。
「んゃ、うああっ…そんな急に…ッ」
「初めて触れたが、ぬるぬるして熱くて…すごいな」
「オッオプティマス!あまり恥ずかしいことを言わないでくれ」
「感じてしまうからかい?」
「意地悪のつもりなら、ぁっ…ん、趣味が悪いぞ…」
「すまない。君がとてもかわいくてね」
軽いキスで誤魔化しながらオプティマスの手は緩やかに愛撫を続ける。ラチェットは素直に声を漏らしつつ、触れてやろうと手を忍ばせたが阻まれ、口を開けば敏感なコネクタの先端をしごかれて一際大きな声で泣いた。
「ずるい、ぞ…私にもさせてくれたっていいじゃないか」
「駄目だ。ラチェット、私にも限界がある…性急ですまないがハッチを開けてくれ」
ラチェットは何か言いたげに口を戦慄かせ、やがて大人しくオプティマスの指を受け入れることにした。抵抗などするだけ無駄なのだし、手をかけなければ狭いそこが意に反して拒むことも解っていた。
「うっ…くぅう!」
指一本でもきつい。レセプタの内壁が侵入を阻み音を立てている。それでもオプティマスは震える体を宥めながらゆっくりと確実に中を拡げていった。閉じていたレセプタの奥まったところまでが、二本の指で暴かれていく。ラチェットの頬を耐えきれず溢れた滴が伝う。
「出来るだけ負担をなくそう」
「んっ…あっ、…っオプティマス…」
「ラチェット?」
「大丈夫だ、続けて…で、でも私もあまり長くは…」
レセプタに気をとられていたせいで放置されていたコネクタがびくびくと揺れ、オプティマスは一度ラチェットに口づけてから離れた。そうして同様に期待で反り返ったコネクタを取り出す。
「だいぶ馴染んではいるようだが、無理そうなら止そう。いいね?」
「…壊してくれても構わないさ」
「君には優しくしたい。冗談でもそんなことは…」
「オプティマス」
ラチェットはその先を制するようにそっと両手で眉の下がった顔を包み込む。オプティマスがどんなに優しいとことも知っていれば、それが時に毒を持ちこの身を苛むことも知っている。必死に絞り出した言葉さえも簡単に飲み込まれて、想いを遂げたこの瞬間、その先も、きっとこの希望のようなものは打ち消すことはできない。だからこそ、心も体も全てで欲していた。
「私が嫌だと言うまでは絶対に止めないでほしい」
「わかった。ラチェット…落ち着いて、苦しければしがみついていなさい」
頷いて、コネクタの先が縁にかかるとどうしても強張る体から必死に力を逃がす。じりじりと押し入ってくる圧迫感にラチェットは息を詰まらせて、険しい表情を浮かべるオプティマスの体に腕を回した。十分に拡げられたレセプタでも機体差があれば多少の無理は出てくる。
「すまない、少し、このままでいさせてくれ…」
半分ほど埋めてオプティマスが呻く。ラチェットの体を気遣い、コネクタの外装を最小限にまで排除したせいで神経が剥きだしになり痺れるような快感が襲ってくるのだ。気を張っているせいで耐えてはいるが、隙ができれば一気に引きずりこまれるように弱音を吐かない体に無理をさせてしまうことになる。
「オプティマス、辛いなら、私は…ぅわっ!」
「平気だ。続けても構わないね?」
「ひ、ぃっ!ぐ、ぁ、ぁあ…っ、いい、が、お手柔らかに頼む、よ」
「努力はしよう」
珍しく弱気な言葉に笑おうとしてラチェットは埋め込まれた熱に体をしならせた。目の前がチカチカと点滅して、腹を滑る粘液に達したのだと理解するのに少しかかった。だが、呆けている場合でもない。オプティマスが緩慢な動作で中を擦り、抑える間もなく声があがる。
「あっああ…、ぅ、あっあっ…ぃ、っ…!」
「…嫌かい?」
「へぇき、だ…好きな、あぐっ…、よ、に…動いて…ッ」
言った途端にぐんと腹の底を突かれてラチェットは喉を絞って悲鳴を殺した。ラチェットに余裕がないようにオプティマスにもまた余裕などない。耐えかねて打ちつければ腕の中で丸まった体がよく跳ね、呼吸も弾み、絶頂の波が何度もやってきた。全身に無視しきれない痛みを伴った電流が渦巻いている。ぴっちりと隙間なく埋まったレセプタからどちらのものとも分からない液がぶちゅぶちゅと音を立てて排出されていく。
「んあ、ん、んんっ…ぁあっ…オ、プティマ、ス…!」
「ラチェット、」
忙しなく唇を合わせながら、頬を濡らした。ラチェットのぼやけた視界では捉えることは出来なかっただろうが、確かにオプティマスもこの瞬間に、満たされることでたったの一滴に途方もない愛情を秘めて。強い力で握ったラチェットの腕が、限界を訴えるレセプタがみしりと鳴いても、止めなかった。
「もうそろそろ、限界だ」
「はああ、あっ…ひぃ、いっ、あああ…っ、も、もう!」
「ああ、おいで」
ぐっと体を抱き寄せて互いに掠れて消え入りそうな声で名前を呼んだ。一際大きな波に浚われてしまわないように、縋り合って絶頂を迎え入れると目の奥がスパークしたように感じられた。
コネクタを引き抜いた後でもしばらく荒い息をついて離れることは出来ず、言葉もなく手を合わせる。オプティマスは胸に倒れこむようにして肩を震わせる様子に声をかけようとしたが、踏み留まった。謝罪を口にすれば、ラチェットが返す言葉などわかっていたからだ。
「…オプティマス、聞いてくれるか」
貪欲にこのまま一つになってしまいたいとすら思いながら、先に体を起こしたのはラチェットの方だった。
「私はもう後戻りできない。したいと思っても、もう、きっと出来ないと思う」
真っ直ぐに見つめる瞳に胸が痛むのはお互い様だ。何にも代えがたい友人の一線を越えて、得たものも失ったものもある。過去の痛みも引き連れてラチェットは震える声を絞り出す。この先どんな未来が待ち構えていようとも言わなければならないことだった。
「私はどうしようもなくお前さんが好きだ。だから、私の傍にいてくれ」
悲痛な表情に愛しさがこみあげる。握った手により力を込めて、オプティマスは口元を緩めた。愛の告白をするならば、もっと幸せそうに言えばいいことを忘れてしまわないように、微笑みながら努めて優しく囁く。
「ラチェット、なら約束をしよう」
「約束?」
「そうだ。私は君の傍へ必ず帰る。君が安心できるように、私のために、このことをどうか忘れないでいてくれ」
大きな手が離れて小指を立てる。ラチェットは何もかもをかなぐり捨てて、笑っているのに止めどなく溢れる涙を拭わないままその小指をとった。降りかかる甘い言葉の全てが小さな痛みを伴って、古い傷跡に染み込んでいく。もう、壊れてしまいたいとは思わなかった。



131205
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