(ホイルジャック×ラチェット)R18



ずるりと弾力のある舌が口内をまさぐり、オイルのぬめりが小さな快感のパルスになり時間をかけて全身を包んでいく感覚が好きだ。のしかかる体の重みも愛しく、ついつい性急に丸みのある太ももの裏を撫でさすると、びくんと驚いてラチェットが起きあがる。ホイルジャックは思わず喉の奥で押し殺すように笑った。
「なんだドク、もう終わりか?」
「…お前さんが勝手に変な真似をするからだ」
「これからもっと変な真似をするのにおかしなことを言うじゃないか。まさか長いこと口だけ吸って、はい終わりなんてのが通じるとは思ってないだろう?」
「そうじゃない。準備をさせろと言っているんだ」
もちろん心の準備ことだ。直接口から聞いたわけではないが、ラチェットが初夜以来、気紛れなホイルジャックにいつ付き合わされてもいいようにと常にレセプタの洗浄を念入りに行っているのは気付いていた。体は準備万端どころか欲しがってばかりのくせに、いつまでも初なギャップもいい。しかし、いつもと趣向を変えたラチェットから一方的に与えられる興奮にいつまでも耐えられるほどホイルジャックの気は長くない。
「俺はさっさとあんたの中で気持ちよくしてもらいたいんだ。焦らさないでハッチを開けな」
「も、もう入れたいのか…フンッ堪え性のない奴め」
「なんでもいい。あんたもどうせ中をビショビショに濡らして俺を待ってるくせに」
「なっ!じ、自信過剰なんじゃないのか!」
「ドク。早くしないと無理矢理にでもこじ開けてレイプすることになるぞ」
声を上ずらせているラチェットを見上げながら、ホイルジャックは器用にコネクタを引きずり出して未だ隠された秘部を探るように押し付ける。白い顔がひくっとひきつるのを目を細めて見ていると、ラチェットは小さく「覚えてろよ」唸った。少し体を浮かせてコネクタと共に露わにするとわずかにオイルが糸を引いて、思わず羞恥に涙が出た。
出来るだけでホイルジャックの顔を見ないように、目を伏せてコネクタが中を通る感覚に震えながら腰を落としていく。さほど大きいというものでもないが、根元まで咥えこむと馴染まない体がつらかった。
「ラチェット」
「うっ、ん…?なんだ、ちょっと待ってくれ…」
「…いや、思ってたよりずっとエロい。出ちまいそうだ」
熱っぽく呟くホイルジャックは口元から手を話し、ふっと口の端を釣りあげる。目で愛しいと語っているのがわかると目を逸らしてもずくずくと体の内側から疼いてしまいラチェットは息をのんだ。そしてゆっくりと腰を使い始め、ホイルジャックが唇を噛む様を盗み見る。
「ぁん…あっ、はあ…ホイルジャック…」
「だらしない顔して、っ…そんなにいいのか?」
ラチェットの緩慢な動きに慣れてきたのか、少し余裕を取り戻したホイルジャックが無防備な体に手を這わせながら軽く首を傾げ、声もなく頷き返す。これまで通りに好きに揺さぶられるのも悪くはないのだが、自分の好きなようにと可愛げのある意地悪の混じった甘やかし方に愛しさがこみあげてより満たされる。それに、こういった立場で見下ろすのも悪くない。ホイルジャックの胸に手をつきながら、ラチェットは少しずつ速度を上げる。
「ラチェット…っ、もう少し、動けるか?」
「ばかにするな…先にへばるなよ…うっ」
「ハッ、そいつは楽しみだ」
ずるるとオイルまみれのレセプタから抜けきらないギリギリのところまで一度コネクタを抜き、ラチェットは再び声を殺しながら埋めていく。それをゆっくりではあるが繰り返し、コツを掴むと夢中になった。ホイルジャックが切なげに鋭い目で見上げてくるとゾクゾクと味わったことのないような興奮が駆け巡り、ラチェットは声を殺すのも忘れて快感を貪った。
「はっ、ああ!あんんっ、ホイルジャック…ッ、ぅあ、ひいっ」
「いい眺め、だな…ここもどろっどろになってる」
「さっ触るな!あっ、イくぅ…!ぃっ、ぃや、あああ!」
コネクタから更にオイルが漏れホイルジャックの腹を汚していく。絶頂の瞬間の締めつけにホイルジャックも達してしまったのだが、それを自覚することもなくラチェットはがくがくと体を震わせながら俯きがちに前へ倒れ込んだ。
「大丈夫か?」
「へい…平気だ……平気だが、もうだめだ…」
「ははっ、無理をしすぎたな…俺も最後はもってかれちまった。ちゃーんと、気持ち良くしてもらって大満足だ」
荒く息をつきながら、ホイルジャックにこつりと額を小突かれる。唇を強請りたかったが、安心感から中にコネクタが入りこんだままだというのに眠気に襲われラチェットは無理に体を離す。どろどろの下半身を見てやってしまったと溜息をつくと、不満げに「ドク」と呼ぶ声が拗ねているのがわかって笑う。
「ドクと呼ぶなと言っているだろう」
笑いかけた瞬間に中のコネクタが動いたのがわかり、ラチェットはホイルジャックの頬を強い力で叩いた。



131010
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