(ロディマス×ウルトラマグナス)R18/擬女化/パロ
※武村さんのロリババア設定をお借りしてます。



朝の挨拶は言葉ではなく唇で交わし、乱れなく流れる青い髪を撫でる。ベッドを傾け焦点の合わない瞳でぼんやりと宙を見つめる彼女は、それでも傍らに立つ男へ意識を向けていた。夜の深い眠りから目覚めた彼女は常にそうだった。まるで自分は既に死んでいるはずではなかったのかと疑問を掲げるように、長いことそうしている。
大仰な生命維持装置から解放された小さな体は、かつての威容を誇るものではなく誰の目にも痛ましく映った。左腕ごと一部を欠いた半身には未だ麻痺が残り、サイバトロン星随一の頭脳を持った科学者や医師の話では完全に克服されることはないという。2人は表舞台から完全に姿を消したかたちで、エリートガードの支援を受けながら何ら不自由ない生活を送っている。終戦間近、エリートガード情報長官として潜入していたディセプティコンの手により、オートボット最高司令の地位についていた彼女が重傷を負わされたことは記憶に新しい。そうして彼女に代わり、副官のセンチネルが新たな総司令官に着任したのは約半年ほど前のことである。
「朝食はどうします、ウルトラマグナス」
ロディマスは献身的に彼女の世話を買って出た稀有な存在だった。部隊司令官を務めていた自身も戦争中に負った怪我で長く治療にあたり、後遺症を残した一人である。彼の全身を蝕んだウイルスは一部の皮膚を変色させ、壊死した箇所は義肢で補われている。リハビリの末、生活に支障をきたすことなくいられるのは彼の生来の気質と、何より彼女へ対する情の深さが原因しているだろう。
「それじゃあ、食べられる時に私も一緒に食べます」
ロディマスは笑みを絶やさずウルトラマグナスに接した。例え彼女が瞳を閉じているときでさえ、傍でいつでも守れるように。そっと華奢な手のひらの下にもぐりこませた手指で、幼い体に不釣り合いな潜んだ硬さに触れて。何度プライマスに感謝したか知らない。

時計の長針が一周半すると、空腹を訴えられ2人で遅い朝食をとった。ロディマスが退室しているその間、ウルトラマグナスは1人で片腕のリハビリをしながら待つ。と言っても、技術の粋を集めた精巧な造りのそれは利き手ではないことも幸いし、多少の不自由は苦にはならず、真面目に取り組んだのはほんの数週間で大抵は読書に勤しんでいるのだが。
「ただいま戻りました。気分はどうです」
「ああ、おかえりロディマス。良好だよ」
本を閉じて以前のような凛とした雰囲気をまとい、あらかたの家事を終え戻ってきた愛しい男に微笑む。そのふわりと花が咲くように可憐でどこか色めいたそれに誘われ、ロディマスが迷いなく口付けるとウルトラマグナスが少し照れた。わずかに俯くと結わずにいた長髪がさらりと滑る。
「ほっぺ、赤くなりましたね」
「からかうんじゃない」
「可愛いからもっと見せてください」
「なら君ももっと恥ずかしがることだ、私と同じくらい」
「私がそんな照れ抜きで貴方に触れているとでも?」
「違ったか」
「触れる度にもう心臓がひどく跳ねていますよ」
ロディマスはベッドの縁に座り、熱を持ち始めた血色のいい頬へ手を滑らせる。肩を揺らし怯えるくせに震える睫毛は期待して、覗いた小さな舌が唇を薄く濡らし、喉が鳴った。老年の女性にあるまじき肉体と、精神のアンバランスさに我慢がきかない。青い瞳が潤んでいるのは恐れからではないのだと、この関係を結ぶ瞬間に彼女の声で聞いたのだ。
「ロディマス?」
ならば、と今度は深くキスをしかける。歯の隙間を割って差し込んだ舌で薄い引っ込み思案な舌先をくにゅくにゅと擦り合わせると、拙い動きで応えるウルトラマグナスが片方の手で首の後ろを探るのがくすぐったい。
「体をお拭きする前に、どうか、私に付き合ってはくれませんか」
「まだ日が高い……と言うのも今更かも知れんな」
零した吐息の熱さに許しを得て、楚々としたネグリジェをたくしあげる。ほっそりとした太ももを過ぎ、下着が露わになると恥ずかしそうに体をよじるも、ウルトラマグナスは抵抗することなくぎゅっと手を握りこんだだけで、じっとベッドにあがり己の体にかぶさるロディマスを見つめていた。幾度となく見たくびれのない未熟な腰まわり、凹んだ腹から筋肉の衰えを感じて切なさを振り払うように触れる手が熱い。
「じれったい触り方をするな、もっと」
「もっと、なんて……はしたないですね」
ロディマスがわざとらしくギリギリで隠れていた乳房を暴くように、とうとう着ている意味もないまでにネグリジェをまくってしまい、ウルトラマグナスは奥歯を噛んだ。外出の予定がなく、そもそもブラジャーを必要としない平らな胸が外気に撫でられる。つんと尖った淡い色のままの乳首に男の鼻先が近付くと、思わず目が釘付けになってしまう。しかし、濡らされたのはそこから離れたへそのくぼみだった。
「な、ひゃうっ…あっ、いやだ、ロディマス!」
すぼめた舌先でちろちろと舐められ、擽ったさと官能の間のざわざわするような快感に悶える。探る視線に頭を振って嫌がれば、意地の悪い手が今度は早急にショーツの中へもぐり込んで、ウルトラマグナスは慌ててロディマスの髪を掴んだ。非力な腕では無理に引きはがすことも出来ず、緩く割れめを擦られてはそれどころではない。
「あぅっ、や、ぃや、うっうっ、ああ…!」
無毛のそこを割って入ってくる指に爪先までぴんと伸ばし、ウルトラマグナスは大きく喘いだ。痛みはないがじんと痺れるように熱く、じっとりと濡れた濃い色の肉びらに強請られたロディマスがクリトリスをこねると体を丸める。そうして赤毛を腕に抱いて耐えていようにも、次には無防備な乳首に吸いつかれ、涙を浮かべるほどの強い快感に襲われた。
「や、やめっ…あっ、待て、ろでぃ、ま、あっあっ」
しとどに濡れた秘部に差し込まれた指が執拗に中を掻きまぜ、くちゅんくちゅんと卑猥な音が鳴りやまない。ぴんと勃起したクリトリスをはじかれ、子供のように乳房をしゃぶられて体の芯から溶けていくようだ。元より快感に弱い体が更に自由を奪われた今、男の手で与えられるものを遣り過ごすにはあまりに難しく思えた。
「いやっあっあんっ、く…!うんんっ」
「そろそろ、よろしいですか」
ウルトラマグナスがすっかり羞恥に酔って呂律もまわらなくなった頃、ようやくロディマスが自らの快感のためにショーツを脱がす。既にぐったりとベッドに体を預けていても、小さな胸を大きく上下させこれ以上なく興奮してしまう。手際良くスキンを被せたペニスをつい凝視し、落とされた笑みにウルトラマグナスの顔が熱くなった。
「これを見るのが好きですか、ウルトラマグナス」
「馬鹿を言ってないで早く入れなさい」
「すみません、では…力を抜いて、私に体を預けてください」
「ん、ぅ…は、あっ…ロディマス……っ」
甘い声に一気に突きあげてしまいたい欲にかられるが、ロディマスはゆっくりと腰をすすめた。体格の差など物ともせず容易に飲みこんだ膣内は指で感じるよりもずっとねっとりと絡みつき、ウルトラマグナスの呼吸に応じてうねる。全身を汗で濡らし、唾液でべっとりと汚した胸元がてらてらと光っている様は背徳的であり、ともすればすぐにでも達してしまいそうだ。
「貴女は、本当に美しい」
目眩を覚えるほどだ、と過去を仕舞いこんで軽い体を抱きすくめる。一切の粗暴さもなくスローなセックスに切り替え、肩口で荒く呼吸し声を噛んだウルトラマグナスをロディマスは優しく揺さぶる。
「あんっ、うっ、はあっ…あっ、ロディマス、んんっ…気持ち、いい…」
「私もですよ。もう少し、強くしますね」
「ふあ…っあ、いいっもっと、君が、いいように」
腰にまわしていた腕をとき、指を絡めて手を繋いで満ちていく感覚に目を細めた。そして絶頂に向かい少しずつ速度を上げ、奥を穿ちながらも努めて穏やかなキスを交わす。口の端から唾液と共に零れる高い声に煽られてロディマスの射精感が高まり、ウルトラマグナスも断続的にイっているのか体中を震わせて泣いた。
「ウルトラマグナス、…っ、マグナス」
「あっあ、ひぃっ、あぅう…!うあっあん…ッ、あっああ!」
ペニスをぎゅうと食い締める内壁に負けロディマスが達し、ほぼ同時にウルトラマグナスもひと際高い声で絶頂を迎える。目の前がスパークして、疲労から力の抜けた体は重いはずなのにふわふわと浮ついていた。
このまま繋がっていたい気持ちが先行するが、先に吐精したものを処理してロディマスは互いの身なりを整えてから傍らに横たわり深く息をした。汗にまみれた白い肌に張り付く長髪をよけるウルトラマグナスの姿が、先ほどまでの淫靡なものとは打って変わり神聖さを帯びて、見惚れてしまう。
「呆けた顔だな、ロディマス」
「……貴女はそれが男心をくすぐるとご存じですか」
「もちろんだ。それだから、君のそういう顔がたまらなく愛しい」
柔らかい肉の手と、よく似た紛いものの手がロディマスの頬を包む。心も体も深く暴ききって互いの存在だけがこの世の全てだと思えば、膨れ上がった感情の全てが零れて彼女の手を濡らしていく。失わずまたこの腕に抱くことができた巡りあわせに胸が痛いと、優しさの中で身動きがとれなくなった。
「なんだ、泣くやつがあるか。途端に子供に戻ってしまって…君は本当に不思議な男だな」
ウルトラマグナスからの幼い口付けに涙を止めて、ロディマスは薄い胸に顔を埋めた。母のような瞳を嫌ったことが嘘のように心地よく、充足する。この幸せの終わりだけは宝箱のようなこの静かな場所で迎えようと、彼女まで泣くように歌うのが遠く聞こえていた。



140807 題:花洩
武村さん執筆許可ありがとうございました!
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