(ビッグランダー×ジャンボセイバー)R18



過敏な体が跳ねて木を蹴り、鳥たちが一斉に飛び立つ。ばさばさとその羽ばたきや葉と枝の擦れる音に体を焦がしながら、巨躯を横たえるには十分とは言い難い森の中でジャンボセイバーは喘いだ。その熱のやり過ごし方を未だ知らないというのに、ビッグランダーは執拗に追いかけて軽い息継ぎの後、再び唇を塞いでくる。与えられる全てに新鮮さを覚え初な気持ちでいるのは己だけのようで、震えながら肩にかけた手に力をこめた。
「待ってください、まだ……恥ずかしいです」
「夜になればまたアイツらが帰ってきちまうだろ」
「そ、うですけど」
歯切れ悪く答えたジャンボセイバーの体を背の羽を労わりながら押し倒し、ビッグランダーに制止する気配はない。ランダーズが世界各国へ散ることは普段から別行動をとっているセイバーズに比べ少なく、二人きりになれる時間がとれることも多いとは言い難い。そのせいか限られた時間の中では、決して蔑ろにされることもないが緩やかな睦言もおざなりになりがちだ。
「こっちに集中しろよ、ジャンボセイバー」
木々の間から覗ける、沈みかけの遠い太陽に染められた慣れ親しんだ空は赤い。もう少しもすれば濃紺の夜が訪れてすべてを包み隠してくれるというのに、腕も足も、舌ですら自由にはならない。腹部を撫でるビッグランダーの手の平は熱く、それが核心には触れず太ももを掴むとジャンボセイバーは声もなく腰を浮かせた。優しく撫でさすり、許しを待つ表情に胸が高鳴る。
「ビッグランダー……」
「そんな声出すなよ。俺が苛めてるみたいじゃねぇか」
「みたいじゃなくてそうなん、でしょう…っ」
「悪かったって。続きしてやっから」
まるでジャンボセイバーの方から強請ったような口ぶりに反抗しようにも、体は言葉とは逆の反応を示すと自覚している。掴まれた足が左右に開かれ、黒い機体が間に入ると羞恥で密かにバイザーの下を濡らした。ビッグランダーの指先が早急にハッチにかかり、小さな痛みと共にこじ開ける。下部の受容器が既に湿り気を帯びていることは秘部を撫でた風の冷たさで知れた。
「あまり見ないでっ…ひ、ぃっ!あっ」
「見ないと出来ねぇだろ」
前触れもなく挿入された指に上ずった声は手の平を押しあてて抑えた。指の一本では物足りないと感じるのはジャンボセイバーがその先の行為を知っているからだろう。痛みや恐れなど初めから感じたことはなかったのではないかとビッグランダーの険しい表情を見上げる。常に露わになった目元から、複雑な心の動きが見てとれる。それがまた快感へ繋がり、ジャンボセイバーは中をまさぐる指が二本に増やされたことで唇を強く噛んだ。
「我慢すんなよ」
「どっちが、…っぁ、ですか。私ばかり、恥ずかしい思いを」
「そりゃあお前……けど慣らさねぇと」
本格的に中を拡げようと動く指からうまれる熱に苛まれながら、そんな予備知識を疎ましく思う。学習した体は期待してやまない。ビッグランダーがいくら気を配っても逆効果というものだ。ジャンボセイバーはバイザーを通して見る空が暗く、星を散りばめているのを認めながら熱い息を零した。
「もう、十分ですから…っ」
「…わかった。辛かったら言ってくれよ」
ジャンボセイバーがこくりと頷くと、一瞬躊躇いながらも指を引き抜いてビッグランダーは腰を寄せる。濡れてひくついたそこへコネクタの尖端が宛がわれ、じりじりと押し入ってくる感覚が痛いほどにわかり体が逃げようとすることを必死に抑え込む。漏れ出たオイルが摩擦を和らげてくれているというのに、ジャンボセイバーはぐちぐちと鳴る水音を嫌っていた。淫事の象徴のようで己の浅ましさを突きつけられる。
「大丈夫、そうだな」
気遣う優しい眼差しにはくはくと開閉する口からは言葉が出てこず、その直後に訪れた衝撃にほとんど悲鳴のような声をあげてジャンボセイバーは仰けぞった。体内のコネクタが最奥まで差し込まれたことを感じ、触れることのなかった自身のコネクタが快感を逃がすために熱を集める。放出へ向かい狭まっていた導管をオイルがのぼっていくことまでもリアルで、ビッグランダーへ救いを求めた。手を強く握られ、安心するとともにささやかな接触からも得られる微弱なパルスさえ気持ちがいい。
「あ、う…!あっ、んんっ、ビッグ、ランダー…ッ」
やがて縋りつく機体を揺さぶるビッグランダーからも余裕は消え失せ、荒い呼吸と食いしばった歯の隙間から漏れる呻きが劣情を煽りたてた。ガツンガツンと緑の茂る森に不釣り合いな金属のぶつかる音が断続的に響く。
「はあ、あっあうっ、ぅっ…くっ、ああ!」
「ジャンボセイバー…!」
「いっ…はっ、ぁああっ、待ってくだ…っ、あっも、だめっ」
目を伏せた暗闇にばちばちと星空のように火花が散る。痙攣するジャンボセイバーの体をより一層強く抱きしめながら、ビッグランダーも間もなくして達したのだと熱のひいていく腹の奥が濡れたことで感じた。
お互い胸を大きく上下するようにして力を逃がしていると、赤い手の平が頬を撫でる。火照った体が心地良さに包まれて溶けていくようにも思えた。
「ああクソッ、もったいねぇ」
「そう言わないでください」
「だってよぉ…」
「ほら、そんな顔をしないで」
穏やかで愛しさの溢れる触れ方にくすぐったさを覚え、同じ気持ちを込めながらジャンボセイバーはくすくすと笑みを零した。あと少しで定期の通信が入ってきてしまうだろう寂しさが、仲間への後ろめたさに消えてしまう前にビッグランダーを見据える。カメラアイを調節した明るい緑色へ向けて、そっと名を囁いてから、笑みをかたどった唇を待った。



140510
リクエストありがとうございました。
[ back ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -