(サイクロナス×ホワール)ホロアバター



いつか殺してやろうと思っていた。そして殺さない約束をした。そうしたら勝手に死んでしまった。
「いつまで付き纏う気だ」
腰の背丈ほどの眼帯の少女に問いかける。少女はキヒヒと笑うと細っこい指で握った黒光りする銃器を天井へ徐に発砲した。銃声が止めば天井は無傷のままだ。そうだ、幻だとサイクロナスは腕を組む。ホワールが死んだ翌日から少女は現れた。テイルゲイトの声に振り向けば、小さな白い頭の隣に悪魔のようなそれがいた。緑色の二つ結び、黒い眼帯、欠けた歯、オーバーオール、ハートのベルト、むき出しの白い足、二丁の銃、そしておおよそ子供らしくもない邪悪な笑みを張りつけて、「よお、ホーンヘッド」と相変わらず小馬鹿にした様子で、ホワールの分身はサイクロナスにとり憑いた。
「鬱陶しい奴だ」
「嬉しいくせに。泣いてもいいんだぜ?」
ホワールはくつくつと肩を揺らし、サイクロナスの上で一回りしてポーズを取った。そうして鬱陶しいと語りながらも向けられる目に再び笑い、銃を手放すと共に衣服が霧散する。白い素肌が露わになり人間の少女は、まるでその温度を感じているかのように金属の体へすり寄ると身震いした。幼い、未熟な体。薄い皮に包まれた血肉の塊の模倣品。
「なあ、見ろよ。こいつがメスの体なんだってよ」
ふわりとかつてのオルトモードよりも軽やかに体を浮かべてその身体を見せつける。サイクロナスは特に関心もなく、けれど小さな爪の乗った指の先を目で追った。足の付け根の小さなつるりとしたそこが縦に避け、覗けた濃いピンク色の肉ビラがひとりでに濡れ始める。ホワールが嬉しそうに「処女だ」と言った。
「それがなんだ」
「興奮しねえのか?」
「人間の子供に興味があるとでも思ったのか」
「ばっちり見やがって、ねえワケがねえよなあ?」
ちゅぷちゅぷと音を立てて愛液が細い足を伝い、鉄板を濡らす。サイクロナスは胸を滑る水滴をぬぐおうともせずに、ただ目を眇めてその有機生命体を見た。呼吸を乱し汗ばんだ裸体をくねらせて、少女が、幻が泣いている。甘い声も丸い肩も小さな淡い色をした乳首もくびれのない腰も、ちっとも興奮できやしない。虚しさばかり募る自慰行為を見届けた。
「何か言えよ、サイクロナス、俺を恋しがってくれ」
護られるべきものでもないくせに、脆い姿でホワールが泣き続けた。



140301
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