(アストロトレイン×ブリッツウィング)R18/子宮



性交渉を意味する接続にいい思い出は一つもなかった。自分から求めたことが一度もないように。ただ目の前にぶら下がった快楽に飛び付かなくても、いつだってどこからかその手は伸びてくる。拒否する理由がなければただ受け入れて、理由などなければ嘘でもなんでも誤魔化しはきいたはずだがそれをしなかったことを説明するほどに頭を使うのも疲れてしまった。ただの馬鹿になり下がってしまえばいいとわかっている。笑えばそれなりに格好はつくものだ。
非生産的で極めて下劣な娯楽は感情に左右されず、例えそれをただの同僚に求められたところで揺らぐわけでもない。いつの間にか目で追うことも多くなった灰色が迫る。こんな奴でさえ触れる唇に悪意はなく、滑り込んでくる分厚い舌はぬめっていた。名前も顔も覚えていないその他大勢となんら変わらぬ愛撫から挿入までのプロセスについに笑いだすと、アストロトレインは不機嫌そうに口の端を吊りあげての悪人面で「殺すぞ」と物騒にも呟いた。
初めのうちだけの穏やかな行為には動揺が見えた。同じ馬鹿でもまだ頭はうまく機能しているらしく、そのうちに珍しく気遣いの言葉を頂いてしまったのだから、サイコーである。やがて無駄だとわかるのだが、そこはやっぱり馬鹿なもので少しだけ期待した自分がいた。アストロトレインが俺の肩に唇を押しあてながら、それが合図だとも気付かずに俺は切羽詰まった声で呼ばれた名前に胸を高鳴らせて、そして口から洩れたのは酷い絶叫だった。
雄の端子を受け入れる歪に縦に裂けた雌穴のずっと奥、すり減った内壁の終わりのひしゃげた子宮が赤ん坊みたいに泣き叫んでいる。拳で殴りつけられているように体がおどり、無理を誤魔化すために絶えず吹き出すオイルの音に紛れた悲鳴が俺にはよく聞こえた。アストロトレインには聞こえてないに違いない。排気が滞ってもがく俺の姿さえ、真っ赤なオプティックには映らない。
そのまま果てる頃にはすっかり頭の中まで浸水しそうな多量のオイルで機体が濡れていた。夢中になった粗暴な同僚が俺の体のあちこちを剥がして曲げて圧し折って必要な神経もいくらか切ったことについては、この際どうでもよく、それよりも再び変形した腹の中が気になった。
「…とんだマゾ野郎だ、腹ン中に変なもん仕込みやがって」
アストロトレインは不快感を丸出しにしながらいたく気に入ったご様子で俺の下半身へと再び触れた。閉じない穴から子宮の破片が流れ出て、アストロトレインの指で更に細かく砕かれる。聞こえるのは酷く耳障りな産声だった。



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