:: ※目を削いで。誰も見えないように。ラザ主♀


「痛い…痛いよ…。ラザリス…」

「ごめんね、ディセンダー。
けれどこの醜い人間の身体を、これ以上君には見せたくないんだ」

僕の手のひらにあるディセンダーの眼球。
とても澄んでいたその瞳は今や、血濡れていて綺麗などとは言い難いものになっていた。
けれど僕ならこの眼球すら愛せる。
これは間違いなくディセンダーの一部だったもの。
僕は口を大きく開き、その眼球の飲み干した。
ゴクリ、と鳴る喉。
僕は自分の胃が羨ましくさえ思えた。

その作業を終えた僕はそっとディセンダーの固く閉ざされた目蓋をなでた。
目蓋を開ければそこに在るはずの眼球は無く、穴だけがぽっかりと空いている。
僕は静かに微笑んで、血だらけの目蓋にキスをした。

「大好きだよ、ディセンダー。
例え目が無くても大丈夫さ。
その満たされない欲求を全部僕で満たしてあげる」


(そして、創造主の見えない所で、彼女はひっそりと赤い涙をながしましたとさ。)

おしまい。




お題配布元:カーディナル様





2011.02.26 (Sat) 22:25 (0)


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