たとえそれがたった一晩の、一時の過ちであったとしても、
宿った生命(いのち)の重さは決して軽んじられるものであるはずがなく、また軽んじていいはずがない。
 だが、幸せだろうか。
 望まれぬ生を受けてこの世に出で来た子供が、幸せを、自分の生命の重みを知ることができるだろうか。

「……どうして」

 懺悔でもない、ただの悔恨を口から滑らせて、その女は己の子供の身体を抉る。
 自分も抉られているのだという勘違いを脳内に巡らせながら、何度も何度も嘆いては跪く。

 狂った。狂わされた。
 誰の、何を。


 本当に全てを狂わされたのは――。




狂わされたのは


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -