黄昏の中に残るのは私の遠い日の影だ。
何度夜を迎えようとも、消えることなくゆらりゆらりと地を這いながらさ迷い存在している。
朝の光が好きなわけではなかった。だが陽が昇るのを見ると少しだけ、ほんの少しだけ心も体も上を向く。根拠の無い期待だとは知っていても、そういったものを抱きたくなった。
明日や未来への希望。あの影が消えて無くなること。
あれは、亡霊だ。
今でも過去に見てしまうまやかし、不確かなあやふやな不安でしかないのだ。私が在ると思うから存在してしまうもの。
影は消えずに未だ存在しているが、少し薄くなったように思う。どこか肩身が狭そうにだがそれでもなかなか強かに存在している。
共生したいとは思わない。だが、そう邪険にすることもないだろう。
あの影は私にしか見ることができないのだから。
影