良し悪しなんかはもう関係なく
目の前で横たわる雛はただそのまま、ありのままだった

羊水にまみれたままのか、それとも雨に降られてしまったのか
全身ずぶ濡れの雛
産まれてもう随分経つというのに
諦めてしまったように
君は泣くことも立ち上がることもしていない

細く開いたその目で世界の何を見るのだろう
あとほんの少しでもきれいなものが存在していたなら
その目の虚ろを取り払うことができただろうか
雛の生きる力となっただろうか

もう善し悪しは関係ないのだと言ってあげたい
君が楽になれるように


いつまでも待っているから
君の息吹がより鮮明になるまで
生きようと立ち上がるときまで







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