待つ、ということがそもそも苦手だった。
落ち着きがない、とは少し違うように思うけれど小さい頃からじっとしていられない質で、それは今でも変わらず……。
けれど今はそんなことを言ってはいられない。
待たなければ、大好きな君に会えないからだ。
待つのが苦手な僕とちょっと時間にルーズな君。そんな僕らがどうしてカップルとして成立しているのか未だに分からないけれど、そんなことはどうだっていい。
苦手なら立ち向かうまでだ。
君に会うためだったら、僕はいくらでも待とう。
がりがりがりと、何度もジュースに入っていた氷を噛み砕きながら、体中に張り付くようなもしくは内側から突き出てくるような感覚、たぶんこれは苛立ちなんだろう、それと真っ向から対峙する。
君に会いたいという気持ちがいくらあってもいらいらしてしまう僕は、本当に情けない……。
いや、情けなくても僕は待つ。ずっと待つよ。戦うよ。大好きな君の笑顔に出会えるまで。
いつの間にか時計の針は三周していた。あぁ、早く君に会いたい。
待ちぼうけ