さみしくて眠れない夜。
 あなたが大好きだった星空を見上げてみたけれど、あの時とは違ってちっともきれいに見えない。
 同じ空を見上げているはずなのに、あの時の感動をちっとも味わえないの。

 瞬く星、なんてよく言ったりするけれど、あなたが指さした星はまるで揺らめく炎のように煌めいてた。
 ゆらゆらゆらゆらして、どの星よりも力強く輝いていて。
 生まれて初めて夜空の星を美しいと思ったの。

 燃え尽きちゃうのかな、ってあなたが心配するくらいに輝いていた星。あんなに明るかった星。
 その星を、私は見つけることができない。

 どこを見ても、どれがあの星なのか分からなくて、もしかして燃え尽きてしまったの、って思ってしまう。
 あなたが、もういないから。

 あなたがいなくなっても、あなたと見上げた星空は変わらずここにあるって信じていたのに。
 信じていたかったのに。

 ないの。もうどこにも。あなたと見上げたあの星空はない。


 ねぇ、あの星の輝きを覚えてる? 私は今でも覚えてるよ。
 だから、私がひとりで見上げる夜空はきれいじゃないのね。

 あなたが私の隣にいないように、
 あの星も空に輝いていないから。


 あなたが死んだ日。きっと、あの星も死んでしまったの。




星が死んだ日


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -