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夢主のことが好きすぎてるブレラで切甘――お兄ちゃん、それはね……?


「ちょっと、……聞いてるの?」
甘ったるいカフェオレについたストローに口をつけたまま此方を見つめるサラは、不満げに眉間に小さく皺を作る。
正直なところ、会話の中身は半分も覚えていない。
先程から自身の頭の中でグルグルと回り続けているのは、つい先日、実の妹に指摘された一言だけだった。
「はぁ……疲れてる?」
「いや、そういう訳ではない」
呆れたように自分を見つめる蒼い双眸。
まるで快晴の空を見ているかのような錯覚さえしてしまう。
「じゃあ、アタシといても楽しくないってことかしら」
「、違っ」
咄嗟に腰を浮かせれば目の前のサラはクスリと小さく笑んだ。
その笑みにどうしようもなく心がざわつく。
けれどそれは決して悪いものではなく、ほぅと胸が暖かくなるような、そんな感じだった。



――きっと。恋、だよ



「っ……」
不意に直ぐ側でそう囁かれたようなその台詞に、ただどうしようもなく息が詰まる。
言葉としての意味こそ理解してはいるが、未だにその感情の真意を理解しているかと問われれば、自分は首を縦には振れなかった。
どこかまだ、漠然としている。
どうしてよいのか分からずに浮かせたままの腰を一先ず下ろすことにした。
「ねぇ、どこか具合悪いの?って、愚問だったかしら」
インプラントの自分を知っている彼女はほんの少しだけ戸惑ったような表情で首を傾げた。

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