orgoglio






兄妹なんだ、一緒にいてくっついてるのは分かる。だが、なんでソレを俺の前でやるんだ。しかも俺の方を見向きもしないで。信じらんねー。


「おい」

「なんだ」

「どっか行け」

「貴様がどっか行け」


本当にこのガキは‥!
一度痛い目を見ないとどちらが強いかは分からないらしい。
絶対に俺の方が強いに決まってる。こんなガキに負けてたまるか、シロには負けるかもしれねーけど、コイツには負けねー。

チートを後ろから抱き締めるアインシュは、ただの少年だ。
今のアインシュは天才じゃない、兄だ。敵がこの時を狙えばトライピースの頭脳を簡単に仕留められるのだろう。
どんな敵だろうが、今一番近くにいる大人は俺だから、全力で守らねばならない。近くじゃなくたって、守りたいと思うほどコイツのことが――


「おい」

「あ?」

「‥妬いたか?」

「はぁ?」

「妬いたのなら、頭でも撫でてやろうと思ったのだがな」


ガキのくせに言うことだけは大人なコイツに腹が立つ。
殴り飛ばしてやりたいが、その後が怖いのでやめておく。
妬いた、と言えば妬いたのだろう。
だがそれを口にすると負けた気分になるのでなかなか口にすることができない。素直じゃない自分にも腹が立つ。


「はっ、んなわけねーだろ」

「‥そうか」


一瞬見せた悲しみを帯びた表情はなんだ?お前は俺にどうしてほしいんだ?
お前も本当、素直じゃないよな。
チートは気を使ってかどこかへ消えた。


「ガキ」

「うるさい」

「金を払うから頭を触らせろ」

「金なんていらん」

「あっそ」


離れていた距離が縮まる。久々に抱き締めたクソガキは、少しだけ大きくなったような気がする。







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ゴルアイ好きです。


2011/06/01 01:28





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