金さえあれば愛だって手に入るはずなのに、あのクソガキは俺に見向きもしない。 「お金で儂が手に入ると思ったのか?本当にバカなのだな」なんて言いやがった。 別にお前が好きなわけじゃない。ただ、手に入れたいだけなのだ。なのに、なんで。 「なにをしているんだ、ゴルドー」 「べつに、なにも」 「バカなことはするなよ」 こんな13歳のガキを手に入れたいだなんて、どうかしてるんだ。 小さくて俺のことをバカにしかしないコイツが気になるなんて、おかしいんだ。 金でコイツが手に入らないというのも分かってるというのが、悔しい。 手に入れて何をするのかはわからない。今まで言われてきた事の仕返しをするのかも、恋人という甘い関係を築くのかもわからない。 「ゴルドー、」 「あんだよ」 「今日は、言わないのだな、」 「あ?」 「いくらでも積むから、俺のモノになれ、と」 言わないことに関心をしているのか分からないが、いつもと違う顔で俺を見てくるコイツが、欲しいと思った。 「お前に手に入れるのに金は必要ねーんだろ」 「ほぉ、ようやくわかったのか」 「他にどうやるかなんかシラネーけどよ、お前が欲しいんだ」 「金で手に入れる、という思考が消えてくれただけ嬉しいぞ」 「なんだ、じゃあ俺のモノになるのか?」 「そんなこと、一言も言っていない。ま、せいぜい頑張るんだな」 いつもなら走るという行為をしないアインシュが走ってどこかにいってしまった。 少しは認めてくれたということで、いいんだよな? --------------- 初トラピ。アインシュくん可愛い 2011/05/31 22:42 |