私の隣の席に座る人はテニス部・新部長の日吉若くんだ。前部長の跡部さんはかなり煌びやかで目立ちたがり屋で。それとは真逆で物静か、跡部さんが洋風だとすれば、日吉くんは和風。全く異なる人が部長の座に付くこともあるんだとただの興味本位でそんな事を考えていた。
「おい、さっきから何ジロジロ見てるんだ」
「えっ、あぁ。ごめん」
無意識に見ていてしまった様で、日吉くんの気分を害してしまった。手元でいじっていた携帯に目を戻す。
下を向きながら、またチラリと横目で見てしまう。
注意をされても尚、人の顔をマジマジと見てしまうのも良くないのだがよく見ると綺麗な顔立ちをしているよな。
横目でこちらを確認して来た日吉くんと目が会わないように、また携帯に視線を戻す。
「なぁ、上杉」
顔を上げたとこで、四時間目のチャイムが鳴り響く。
「何?」
「いや悪い、何でもない」と視線を逸らされてしまった。
そんな切り方気持ち悪いではないか。次の休みのお昼ご飯にでも日吉くんを誘ってみるのも面白いかもしれないと私は再度携帯に視線を戻した。