「君は上杉ういだな」
「どうして私の名前」
「降谷零くんとよく一緒にいるからな。調べさせてもらった」

 来葉峠で赤井秀一が姿を現した。零との電話を終え、赤井はういに視線をゆっくりと移しういの名前を呼んだ。

「君も俺を恨んでいるかな?」
「景光のこと?」

 赤井は頷く。怒鳴られる、泣かれる。どんな反応が返ってきてもいい様に心積りはしていたが、ういは冷静に首を横に振った。

「私はあなたにも事情があったんだろうなと思ってる。もちろん同期が亡くなってしまったのはとても寂しいけれど……。零は子供のときから一緒だったから頭に血が上っちゃうのも仕方ないのかもしれない」
「君がそうやって考えていてくれるのはとても助かるよ。ただすまなかった」

 謝られても仕方のない事。どんな顔をすればいいかわからないういは、「私は大丈夫」とだけ言って、赤井が起こした玉突き事故を処理すべく本部に電話をかけ始めた。


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