周りに漂ってるのは人間が見れなかった夢たちだよとういは笑った。
ういは画家で抽象画というものを書いているらしい。普段、絵になぞ口を出さない俺は思わずその禍々しい色は何だと疑問を口にしてしまっていた。
興味を持ってもらえたういは嬉しいのか嬉々として自分の絵について語り出すが何を伝えたいのかサッパリだ。
俺が何となく聞いている様子が伝わってしまったのかういはパタリと説明をしていた口を閉じて、また筆に色を乗せて書き始める。
「三蔵が言うよくわからないも正解。きっと他の3人に聞いたって別々の答えが返ってくるだろうし、それでいいの」
楽しそうに描き進める紙の上にはまたドス黒いような青いような俺の知らない色が重ねられた。