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 ・いやよいやよも

なまえはクルークの家に泊まりに来ていた。
なまえの親が二人とも飲み会に行っていて、帰りが遅くなるからという理由かららしい。




「クルークーー!!おなかすいたー!」

「なまえ…、キミは夜行性のネズミかい?」
「ね、ネズミ!?乙女に対してそれはないんじゃないのー」

「キミを乙女だと思ったことなんか一度もないさ。
…ご飯だったら冷凍庫に焼きおにぎりがあるから、勝手に食べてくれて構わないよ。」

「えっ!い、いいの!?冗談で言ったつもりだったのに」
「食べたくないなら食べなければいいじゃないか。相変わらずめんどくさいヤツだねなまえって。」

「めんどくさいヤツでわるかったねーっと」
「フン、とりあえずボクは先に寝るからな」
「えっもう寝るの?もーちょっと起きてようよー」


「ホントにキミは夜行性だな…。風呂も入っただろ?もう寝る。
キミと違って夜遅くまで起きて睡眠時間が足りなくなるなんてことはゴメンだからね。」


「う、うー、じゃあ私も寝る!と、いうことで一緒にねよう!」

「ハァ!?何を言ってるんだ!!」
「今日くらい一緒に寝させてくれてもいいじゃんー」

「…イヤだ。なんでボクがキミなんかのために肩身狭い思いをしなきゃいけないんだよ!」
「いーじゃん!幼馴染の仲なんだからさっ!」


「……まあ、…いいよ。」

「えっ!?いいの!?」
「…そのかわり、ヘンなことはするなよ。」
「ん〜…それはわかんないけど!」
「と、とにかく、もう寝るよ!」
「うん!」




…やはり狭い。
元々一人で寝る用に作られているものなのに、二人で寝るとなると狭いに決まってるよな。
しかしコイツ、妙に密着してくるな…。背中に胸がくっついてるし。

…?

…む、むね?


振り向こうにも、密着されすぎて後ろが向けない。

「ちょっ、ちょっとなまえ…まだ、起きてる?」


…彼女の返事はない。

で、でも、この感触、どう考えても胸…だよな…?
夜だからか、思考回路がすべて性的な方に向いてしまう。
心なしか、下半身に違和感が…。

――まさか、と思い自分の下半身に目を向ける。
案の定、自身は反応していた。


…クソッ、このボクがこんなヤツに欲情、するなんて…!!



「ん…ッ、クルーク…」
彼女が身じろいだせいでより密着度が高まってしまった気がする…!
オマケに腰に腕を回されてしまった。
このままじゃマズい、逃げられないッ…。

寝過すにも寝過ごせないし、どうすればいいんだよッ…!

「!!!!」
必死にここから逃げ出す策略を巡らしていると、
パジャマのズボンの中に、手のようなものが入り込んできた。
手のようなものっていうか、手だよな…。ていうかなまえの手、つめた…っ、
しかしホントにコレはマズいぞ…!このままじゃ、ヘンなコトどころじゃない…。
明らかになまえの手つきがいやらしくなってきた。

「ゃ、やめ…っ、いい加減にしないと怒…っは、ンぁ!」

まずい。まずいまずいまずい。何も意識してないのに声が漏れた…!
急にっ、にぎ、ってくるのが悪い…!
手をどかそうにも、握りこまれてしまって何もできない。

「クルーク…」
「ぅあ…ッ!」
耳元で名前を囁かれて、頭が溶けてしまいそうな感覚に陥った。
体が熱すぎる…っ!

「んん……」
「やっ、やめろっ、なまえ、っ、ゃっンン…っ!」

自身を握りこんでいた手が上下運動を始めた。や、ばい、きもちいい。無意識に腰が揺れてしまう。こんなヤツに、こんなことされてきもちいい、なんて。
……好きなんかじゃない、のに。こんなヤツ。


「ぅ、……っく、やば、っ、ッ、は…んっ」
「……」

規則正しい寝息が耳にかかってそれすらも快感として拾ってしまう。ほんとに、彼女は眠っているのだろうか?そんなことよりもっと快感が欲しい。こんなものでは足りない。もっと、もっときもちよくなりたい。

「もっ、もっと、して……ッ、なまえっ」
「素直だね?クルーク」
「!!!」

……はめられた。やっぱり起きてたんだ……!!





とちゅう

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