「今日は仕事何時に終わるの?」
「さー、店長の気分次第です」

俺はモテる。美容師としてここで働いているのに俺を指名する女性のお客さんは大体俺自身が目当てで金を払う。カットはいいから連絡先をくれと言われたこともある。

「終わるまで、待ってても良い?」
「すいません、今日は用があって」

誘いに乗る時もあるが今日は気分じゃない。不服そうなお客さんを見送って予約表を確認する。次は指名無しの新規さんか。

「いらっしゃいませ」

新規さんはダサい男性だった。なんか新鮮だな。
どうしますかとカタログを広げて見せたら困った顔で短くしてください、だって。美容院慣れしてないんだな。よし、このダサ男をうんと格好よくしてやろう。
シャワー台まで連れていき顔にタオルを掛けようとすると、眼鏡をとった男の顔が意外にも整っていたので隠すのがちょっともったいないなと思ってしまった。

「湯加減どうですか?」
「丁度良いです」

俺ちょっとおかしい。
少し固い髪が指にちくちく当たったり、指の間を擽るのが、いつも似たようなことやってるのに、なんか。

「ん」

身体が火照ってくる。なんだこれ。

シャワーに結構時間をかけてしまった。自分の妙な変化に戸惑いながらもなんとかカットを始める。

「ふ…」

普段ならお客さんと会話しながら切っていくのに、この男だと異様に緊張して全く喋れない。そんな俺に全く気付かず男は平然と雑誌を読んでいる。助かる。
だって俺本当おかしい。この黒い髪、舐めたくなってきた。馬鹿だ。

「あの、すいません」

ビルのエレベーターまで見送ると乗る前に男はばつが悪そうに話し掛けてきた。

「言いにくいんですけど、立ってますよ」
「っ」

店に聞こえないよう耳元で小さく言った。その配慮のせいで一気に身体が熱くなった。

「だ、大丈夫ですか!?」
「ふ、あ」

彼に飛び付いてエレベーターへ傾れ込んでしまった。だめだ、もう、身体が。

「ぅ、ぅぅぅ…」
「え、え」

突然泣き始めた俺に困った男はとりあえず頭を撫でてくれた。

「だ、大丈夫?どうしたの?」
「ん、ふああ…」
「お、お店戻る?」

お店戻ったらこの人帰っちゃうからやだ。俺が首を横に振ると男は更に困惑した。

「と、とりあえず降りよう」

しがみついてる俺を持ち上げて男は一階のボタンを押す。

「ん、んん」

俺がセットした髪を頬に擦り付けると気分が良くなった。

「何か飲み物いる?」

俺を人前に出せないと判断したらしくビルのトイレに連れてきてくれた。閉じた便器の蓋に俺を置いて離れようとする男の首にしがみつく。

「え?え?」
「んんん、すきい…」

頭に顔を埋めてくんくんと匂いを嗅いだ。冷静に考えりゃ何してんだろって感じだけど、今はもうよくわからない。

「本当にどうしたの?」
「っ」

俺を引き剥がして顔を覗き込まれた。困ったように眉間に皺を寄せて、少し赤くなった顔が、俺でも見惚れちゃうほどで。

「ん」
「!」

思わずちゅうしてしまった。
唇をくっつけたままでいると、男がチロっと舌を出した。それがすごく気に入って俺も舌を出した。

「んん、んん、ん」

口の中でうにょうにょ動く舌が気持ち良い。
やがて男が離れると悲しくなってちょと涙が出た。そんな俺の頭を男は撫でてくれる。その優しい手つきにまた涙が出た。

「あ」

目の前に男の股があるからこの人も勃起してるのがわかった。嬉しいかも。

「ちょ」
「んふう」

やばい、おいしそう。ズボン越しでくんくんすると一層匂いがきつくなった。

「っ、…ねえ、誰とでもこうなの?」
「っ!そんな、わけ、なっ」

男のちょっと悲しそうな声に急いで顔を上げる。そんな誤解やだ。俺だって今よくわかんなくて困ってる。俺は女にモテモテだし、男となんて考えたこともなかったのに。

「わかんな、けど、すき、すきだかあっ、すきいぃ」
「!?嘘…」
「ほんと、ほんとらからあ…」

大泣きしてしまった。もう、なんなんだこれ。

「…本当ならさ」
「…?」

指で俺の涙を拭いながら男は苦笑した。

「俺も好きになっていい?」
「っ」

だめだ、全部欲しい。
我慢できなくなった俺は男のズボンとパンツを脱がしむしゃぶりついた。

「っ、無理、しないでね」
「ふう、はあ、すき、だいすきぃ…」

どこまでも優しい男とおいしい味にきゅんきゅんした。

「…あのさ、ここ、感じる?」
「んん、あっ、きもち、きもちい」
「よかった。気持ち良くしてていい?」
「うん、うん、あっあっ」

男が両手で乳首をくにくにと弄ってくれて気持ち良い。俺はフェラするのを忘れちんこを顔に擦り付けながら喘いだ。

「顔汚れちゃうよ?大丈夫?」
「ごめ、ふ、んん」
「あ、あ、別にくわえろって言ったわけじゃないよ、無理しなくていいって」
「んん、ふああ」

乳首がふにゅっと潰されると俺のちんこがびくっと震えた。

「あ、だしちゃった…」
「え、そうなの?大丈夫?」
「ん…」

イった後の怠さでちんこを軽くチロチロとしか舐められない。あ、汁おいしい。

「ぅん」
「っ、ね、ズボン脱がしてあげる」
「んん、ありがと…」

男は俺を引き剥がして汚れたズボンを脱がしてくれた。

「替え買ってくるね」
「ご、ごめん」
「大丈夫。俺が気付かなかったのが悪いんだし」

そう言ってパンツも丁寧に脱がしてくれる。優しすぎるだろ。

「これからお店に戻れないよね?ちゃんと早退しましたごめんなさいって連絡しとくんだよ?」
「う、うん」
「じゃあ買ってくるね」

男が居ない間に借りた携帯でちゃんと店長に謝っといた。ちょっと怒られたけど、人手不足の日に入ることで許してもらえた。

「買ってきたよ」
「ありがと、あ、許してもらえた」
「よかったね」

よしよししてもらっちゃった。

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