俺は死ぬほど嫌いな奴がいる。名前は佐藤。名前は平凡なくせに容姿は非凡。ルックスがおぞましいほど良い奴だ。
何で嫌いかってぶっちゃけるとただの僻みだ。男にとってはイケメンなんて害しかない。まあ俺らに嫌われててもその分女に好かれてるんだからダメージ0だろう。
「これ、失敗作!」
「それ言わなくてもよくね…ありがたいけど」
今日はイケメンのためにある日だがイケてない俺にも楽しみがあった。クラスにチョコ好きと公言していたから義理チョコをたくさん貰えるのだ。複雑だがチョコはうまい。
放課後までに食べきれなかったチョコは女子がくれた紙袋に入れて持ち帰る。義理もゼロの奴らがくれくれとうるさいが無視。太るぞとか女子じゃないんだし。俺太らない体質だし。
「…マジ?」
下駄箱を見て思わず独り言を発してしまった。今日、下駄箱に手紙が入っている。今日、バレンタインデーに、だ。これは期待せずにいられない。悪戯だったらぶっ殺す。
どきどきしながら読むと屋上に来てくださいとだけ書いてあった。この時期に屋上で待ってるなんて、風邪引いちゃうよ、と黒髪ロング、スカート膝からちょい上丈、赤いチェックのマフラーなイメージの佐藤さんを酷く心配した。
「……ぶっ殺す…」
佐藤さんはイケメンだった。イケてる面の女の子ではなくイケてるメンズさんの方だった。俺が冒頭で嫌いって言ってた奴。
「何だよてめー何なんか用ってか寒いんだけど殺すぞ」
「…悪い、すぐ終わる」
佐藤は不機嫌な俺にびびりながら近寄ってくる。そういえばこいつ赤いチェックのマフラーじゃん。俺予言者すぎて金儲けできるかも。
「これ、貰って」
「は?え、これ」
めちゃくちゃ有名な高級チョコじゃねーか。何故これを。
「貰い物?」
「違う。俺が買った」
「え」
こいつが俺にこれを?同じ位置にある顔を覗き込むと寒いからか照れてるからか頬と鼻が真っ赤。
「じゃあ」
「いやいや何でこれくれんの。理由聞かなきゃ持ってかえれねーよ」
「っ」
逃げようとする佐藤の腕を掴む。これ量的に五千円はするだろ。ラッキーで済ましちゃいけない値段だ。
「…察しろよ、今日」
「…まさか好きってこと?」
「……」
黙るってことは肯定だな。うーわ、何だそれ。
「何、何で好き?」
「ちっ、帰る」
「帰さねー」
もう一本の腕も掴んで佐藤の背中に回した。抱き締める体勢になっちゃったけど寒いし問題ない。佐藤が戸惑ってるけど。
「何で?」
「っ、ちけーよ」
「何でって聞いてんだけど」
デコ同士をくっつけて目を合わせるがすぐに逸らされた。
「俺お前嫌いだったんだけど」
そう言うと佐藤の目がじわじわと濡れ始めた。
「お前が好きって言うなら考え直すかも」
肘にあった手を滑らせて佐藤のそれと重ねる。やっぱ冷たい。
「どれくらい待ってた?」
「…三十分くらい」
「寒かったでしょ」
手を擦ってやると肩をひくひくと揺らした。
寒いけどその中で感じる体温は結構良いもので、気分が良くなってきた。
「佐藤、俺にもマフラーちょうだい」
「え」
「首寒い」
手を離して頼むと戸惑いながらもゆっくりマフラーを外しはじめた。
「全部外さなくていーよ。半分で」
「えええ」
「あ、こうすればかけやすいか」
距離を縮めるために佐藤の唇にキスをした。佐藤が固まって動かなくなったから代わりにマフラーを二人の首に巻く。長めのやつだから結んでしまおう。
「どうよ」
「…ーっ」
「はっ、やっぱハズい?」
俺もちょっと恥ずかしいけどそういう気分なんだから仕方ない。
「っ、っ」
「ん?どうした?」
いきなり腰を引いた佐藤を反射的に引き寄せてしまうと俺の太ももに堅いものが当たった。
「立ってる」
「う、あ」
一体どこで興奮したんだろ。キスかな。軽いのをしてみるとびくっと震えた。
なんか面白いなあ。手を胸に移動して触ってみるとまた震える。乳首も立ってるな。
「この感触好きかも」
「なっ、っ、っ」
クニクニと弾力のある粒を揉む。AVとかの乳首責めシーンはさらっと流してたけど実際は良いもんなんだな。こんな小さいのにちょっと揉むだけで気持ちよさそうにする。面白いな。
直に触りたくなってネクタイは外さず胸の所だけシャツを開いた。
「っ!」
「あ、手冷たい?やだ?」
佐藤が微かにだけど首を横に振ったから問題ないっぽい。ぴんと立った乳首の頂点だけに触れて上下左右に倒してみると目がとろんとした。これ良いかも。
佐藤の顔を至近距離で観察しながら弄っていると、太ももにあった佐藤の股間が動いた。
「下そんなやばい?」
「…っ」
我慢できなくて俺の足でオナっていたらしい。
そういや噂ではヤりまくってるって聞くけど佐藤のちんこってどれくらいなんだろ。
「ねえ、下見てみても良い?」
「えっえっ」
「俺のも見せるから」
そんなバカな条件に頷くはず無いから強行突破だ。素早くマフラーを外してしゃがんだ。
ズボンを脱がすのは寒くて可哀想だという気遣いでファスナーからちんこを取り出す。
もうべとべとしているそれは以外と小さく綺麗だった。お、まだ皮被ってる。
「あんま、みんなっ」
亀頭を摘み色々な角度から観察していると佐藤がしゃがみこんでしまった。
「ごめんごめん。俺のも見る?」
泣きそうだったから場を和ませるために冗談を言うと佐藤が固まった。
「はは、冗談冗談」
「え…」
あれ、佐藤がまた泣きそう。
「え、見たい?」
「っ…」
黙るってことは、…マジで?物好きだな。
胡坐をかいてちんこを取り出すと佐藤が目を丸した。
「デカ…」
「え?まあ立ってるから」
何故だか佐藤は凝視しながら先走りを垂れ流している。イケメンのくせに可愛いな。
「触ってみる?」
「っ」
そろそろと俺のちんこに手を伸ばす。触れた瞬間俺じゃなくて佐藤の身体が跳ねた。
「あ…」
「何なら舐めても良いよ」
「っ…」
試しに言ってみると恐る恐る顔を近付けてきた。
強制してるわけじゃないからな。マジで俺のこと好きなのか。
ペロペロとフェラする佐藤の頭を撫でてやるとぶるりと腰を震わせた。
やば、ヤりたくなってきた。
「佐藤が女だったらな…」
ぽろっとそんなことを口に出してしまうと佐藤が慌ててフェラを止めた。
「ど、どういう意味…」
やべえな、超くだらないんだけど。
「いや、佐藤とセックスしたいなって」
「!」
俺の変態発言に佐藤はもっと顔を赤くした。怒ってるかな。
「ごめん…、って、佐藤?」
佐藤がいきなりズボンを脱いで足を広げた。
「さ、佐藤…?」
「こ、ここ…」
「え?」
指で穴を広げるイケメン。マジで?
「アナルセックス?」
「っ、嫌なら」
「いや、嫌じゃないけど」
まさかあの佐藤がアナルセックスに踏み込むなんて思ってなかったし、しかもその穴が、もう慣らしてあるんだけど。
「え、誰かとやってきたの?」
「ちがっ」
「じゃあ何でこんなになってんの?」
自分で慣らした可能性はあるけど、まさかそんなこと佐藤がするわけない。
「…いつか、いれて、ほしかったから…っ」
俺佐藤のこと全然知らなかったわ。
「あっやめっ」
いくら慣らしてあるからっつってもそのまま貫く勇気はない。もう一回丁寧に慣らしてあげよう。
「はあ、あああっ」
「え?」
中にある膨らみを揉んでみると佐藤が勢いよくイった。なんか良くわかんないけどここがいいらしい。
「あ、だめ、やめてっ」
「ははっかわい」
夢中になって揉んでたらいつの間にか佐藤が軽く気を失っていた。あ、やりすぎちゃったんだな。
「本番は今度俺んちでやろう」
「ん…」
折角の初めてだし、ベッドで入れたい。
「佐藤チョコ貰いすぎ…」
「お前だって多いだろ」
「本命は佐藤のだけなんですけど」
「お前…それ全部義理だと思ってんのか?」
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