4と15の差はどのくらいでしょうか


「おーし、じゃあ順番に箱の中のくじを引けよー」

黒板の真ん中には番号の書かれたこの教室の机の配置図。
1か月に1度のさして面白味もないけれど、地味にクラス中が楽しみにしている行事。
担任がくじの入った箱を持って左前から順番にまわしていく。
いつの間にかクラス内の雰囲気がどこかうきうきとしたような感じになっていた。かくいうオレは大した興味もなく、ただただ機械的にまわされた箱から一枚くじを抜き取って次の奴にまわす。席替えよりも今日の練習の方が気がかりでしょうがない。3倍とかにならないといいんだけど…。
全員にくじがまわるまで少しばかり時間がかかるため、先に引いてしまった組はこの時間が退屈で仕方がない。まわりはどこの席になっただの、あいつの隣だの騒いでいるけれど特に興味もなし。……と思ったけれど。

「リコー、何番だった?」
「4番」
「えー、窓際じゃんいいなー」
「そうかな?」

なんていう会話が聞こえてきて瞬時に自分のくじを確認する。
カントクが4番。オレは…。

「15…」

なんとも微妙な席だった。
カントクに近いわけでもなく、かといって窓際や廊下側でもなく。教室のどちらかというと窓際になるけれどっていう位置。
そして前から数えて3番目というこれまた微妙。
一気にため息がこぼれ出る。
期待していたわけじゃない。だけど、なんだかしょっぱい気分になってしまった。
同じクラスだってのに、近くて遠い。
もう一度ため息をこぼしてくじをゴミ箱に投げ捨てた。




(隣になりたいとか、そういうんじゃないんだけどさ)

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