どうか、教えてください


彼女を、愛おしく思う。
それは家族だからか、それとも違う理由があるのか、僕にはわからない。
知りたいと思うけれど、その理由を知ってしまっては何かが変わってしまう気がする。
ああ、一体僕はどうしてしまったのだろう。

「どうかしたの?ぼーっとして」

背後からの声に驚いて振り返ると、そこに居たのはフェルト本人。思わず後ずさりをしてしまった。

「ティエリア?」
「あ、え……?なんだ?」
「訊いてるのはわたしの方なんだけど。どうかしたの?ぼーっとしてって」
「ぼーっとしていたのか?」
「自覚ないの?」
「考え事をしていたんだ」
「それを人はぼーっとしているって言うんだよ」

珍しいこともあるものだね、なんて彼女は笑う。
その笑顔が愛おしくて、胸が締め付けられる思いだった。
この想いは、何なのだろう。
あぁ、誰か教えてくれ。

(君に対するこの想いは、何なんだ)

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