第2回土下座大会を開催しよう


ぼんやりとした空間に、少女がいた。
目をこすってもはっきりしないその視界が妙に鬱陶しくて、不快だった。
あの子はいったい誰なのだろう。
彼女を振り向かせるために手を伸ばす。
どうにもこの手を伸ばしてはいけない気がしたけれど、気付かないふりをする。
あと数センチで彼女の肩に触れることができる。もう少し、もう少し。
と、突然少女が振り向いた。

「ロリ羽川!!」

目が覚めたその状況はまさに何とも気まずいものでしかなかった。
だって、僕の目の前にはまさに夢に出てきた羽川(もちろんちゃんと18歳バージョン)がいたのだから。
変な汗が体中から吹き出す。え?なんだこの状況。
何で羽川が僕の目の前にいるんだ?

「……5時間目の中盤あたりからずっと寝てるからそろそろ起こそうと思ったんだけど、阿良々木くん……。ロリ羽川って、何かな?」

あぁ……、羽川の視線が怖い。怖くて視線を合わせられない。
笑顔なのに怒ってる、みたいな。

「え、ロリ羽川?いったい何を言ってるんだ羽川。僕はそんなこと一言たりとも言っていないぞ」
「確かにロリ羽川って言ってたけど」
「違う、あれは噛んだだけだ」
「言い訳にすらなってないよ。噛んでないし、ちゃんと発音してたよ」

駄目だ、これ以上はごまかしきれない。
かといって、ロリ羽川を追及されたところでどうしようもない。
なんだこれ、どうやって打開すればいいんだ?打開策がちっとも思い浮かばない。

「ねえ、阿良々木くん?」

ニコリ、と笑みが一層深くなる。
ああ、怖い。なんと言えば羽川は納得してくれるというのだ。
というか、絶対納得なんてしてくれないだろうということは目に見えている。
どこの世界に自分のロリ姿を叫ぶ男子高校生を納得する女子高生がいるというんだ。
……さあ、第2回土下座大会の開幕だ。

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