ぶっきらぼうのよーいどん


※転生後です。














「なあ、野ばら」

帰り道。偶然一緒になったからというそれだけの理由で、あたしと反ノ塚は同じ帰路についている。
雨が降りそうだから、と自然と早くなる歩みを制するように後ろから声をかけられた。

「何よ」

ぶっきらぼうに返す。
あたしは早く帰りたいの、という思いを前面に押し出してみる。
今日は洗濯物を外に出してきちゃったから、雨が降るようなことがあれば一大事だ。またし直さなくてはならなくなる。
そう考えるだけでイライラが積もっていく。

「……何よ」

もう一度同じ言葉を繰り返す。
反ノ塚はどれだけあたしがぶっきらぼうに返答しても決して怒らない。
それは転生前からずっとそう。
へらへらと笑うばかりで、その笑顔が時折ものすごく腹が立つ。
まるで聞き流してるかのような感覚を覚えてしまう。
だからだろうか……。
本当に稀に、怒らせてみたいという衝動に駆られる。
いつもと違うあいつが見てみたい。
そんなよく分からない想いが込み上げてくる。
一体、どうしたというのだろう。

「あのさ、もうすぐ雨降りそうじゃん?家まで競争しないか?」
「雨が降りそうなのと競争とどうしたら結びつくのよ」
「雨が降る前に家に着いたら俺たちの勝ち。着く前に降り始めたら俺たちの負け」
「よくわからないわ。というか、この間筋肉痛が2日経ってからくるとか言ってなかった?そんなんで走って大丈夫なの?また明後日苦しい思いをするのはあんたよ」
「そうなんだよなー……。でもさ、野ばらと一緒に走って筋肉痛になるならいいかなって思ってさ」
「なに?あんたってもしかしてM?」

冷たい視線を向けてみても、やっぱりその笑顔は変わることがない。
ちょっと悔しい思いをしたから、不意打ちとばかりに駆けだした。





(ちょ、待って野ばら……!)
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転生後の二人の年齢差がメニアック!
ついったの140字作文より。

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