待ち合わせて
※転生後です。
「反ノ塚」
「ん、何?」
「今日の夕飯どうする?」
「そうだなー…。野ばらは何がいい?」
「あたしは別に何でもいいけど」
「俺も何でもいいな」
「それじゃ決まらないじゃない」
学校帰り。
いつもなら一人で帰る道のりを、今日は二人で歩いている。
なんでも、今日は反ノ塚が夕飯を作ってくれるんだそうだ。珍しいこともあるものだ、なんて感心していたのもつかの間。
そんな感心も今となっては微塵もない。
というか、感心して損した気分。
「じゃあ、カレーうどんが食べたい」
「カレーうどん?どうしてこのクソ暑い中カレーうどんなんだ?」
「あんた、好きでしょ?転生前…っていってもあんたは違うけど、よく食べてたじゃない」
「あぁ…そういえばそうだなー。でもお前カレーうどん食べれんの?」
「食べれるわよ」
「そっか。じゃあ今日の夕飯はカレーうどんにするか」
そうこうしてる間にもう歩みはスーパーの前にまで来ていた。
必要な材料を買い込んで、さっさと家路に急ぐ。
途中で反ノ塚から手を繋ぎたいだの言われたけれど、無視。
早く家に着かないかとそわそわしながら、自然と早足になる歩みが少しおかしかった。
(いいじゃん、手くらい繋いでも)