連鎖する僕ら 5 しおりを挟むしおりから読む目次へ 気がついたら――だらしないくらい、頬がゆるんでいた。成瀬のことを想うだけで、自然と顔がにやけてしまう。 その変化を目の当たりにして、初璃ちゃんが安心したように笑ってくれる。そして、いい具合に力の抜けた口調で言ってくれた。 「良かったねぇ。元気になって」 その言葉に大きく頷く、わたし。 「うん!」 我ながら単純で、調子がいいって思うけど――そんな自分はキライじゃない。むしろ、さっきよりずっといい。 ――安心したら、お腹空いちゃったな。 胸中でひとりごち、わたしはまた笑った。そして、すっかり冷めてしまっているセットメニューに目を落とした。両手を合わせて、ちょこんと頭を下げる。 とりあえず。 「いただきまーす!」 まずは戦闘前の腹ごしらえと参りましょうか? 【続】 |