連鎖する僕ら 3
しおりを挟むしおりから読む目次へ






 だけど本気で逃げたりしたら、きっと間宮は傷つくんだろう。『やっぱりダメかー』とか言いながら、それでも笑って。わたしの意気地のなさを責めたりしないで。痛い思いも苦い思いも、一人で全部飲み込んで。

 そんな思いをさせるのだけは、イヤだと思った。間宮の気持ちを受け入れる理由も、突っぱねる理由も見つけられないわたしが、そんなことを考えるのは酷い話なんだろうけど。でも、それがわたしの本心。

 隣を歩く間宮の足取りは、今日も軽い。何が楽しいのか、口の端も上がっていて、ホントにご機嫌みたいだ。

(いいのかな……)

 長期戦は覚悟していると。焦らなくてもいいんだという、その言葉に甘えてしまって、本当にいいんだろうか。少なくとも、初璃は――曽根の返事を待ってる間、結構悶々としてたと思うんだけど。

 返すべき『答え』は一体、どこにあるんだろう――わたしはまだ、見つけられないでいる。



  【続】

- 278 -

[*前] | [次#]






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -