序 しおりを挟むしおりから読む目次へ あてどない旅路(みち)を往き 大地に立ちつくす 振り向いた道程に 遺した足跡は 吹く風に掻き消えた ずっと 探していた 祈るように いつも この世界の何処か 見つけるため 飛び立ってみたけど 求めるものは 帰る場所 在るはずの温もりが すり抜けてしまうほど 儚いものでも 私は ずっと願い続ける 君の腕の中に 帰り着く その日を 痛いほど澄み渡る 果てない蒼窮も 沈みゆく陽の色も 夜空の星の数も 同じものに見えるのに 揺れる振り子のように 戻れたらいいのに 迷わないで 早く 君の元へ 飛んでいきたい 見つけだせない 帰る場所 子どものように彷徨って それでも届かないのならば せめて この歌を 声の限りに 歌い続ける 君の腕の中に 帰り着く その日まで |