突然だけど最近、避けられてる気がする。

これがまだ同期のうちの一人とか、それかジャンとか、もしくはジャンとかならまだ我慢も出来る。それでも結構ショックだけど。
よりにもよって一番嫌われたくない人に避けられている気がするのだ。

気のせいですめばいいのに生憎と気のせいなんかじゃないらしい。
挨拶をすれば一応は返してくれるけどなんだかよそよそしいし、ふと目が合ってもすぐに慌てたように逸らされる。
正直結構辛い。

私何かしちゃったのかな…とぽつりと心の内を漏らせば、隣りからそれ以外考えられないだろ、と辛辣な言葉が返ってきた。
いつもはあんまり気にならないジャンの正直な物言いも今日はぐさりと胸に刺さる。

「特に心当たりはないんだけどなぁ…」
「お前がアホすぎて嫌気が差したんだろ」
「それは今更すぎて違う気がする」
「アホっていうのは認めるのかよ」

呆れているジャンを横目で睨んでからはぁと溜め息をつく。
ここ数日を思い返してうんうん唸りながら考えてみても本当に見当がつかなくて途方に暮れた。

「考えてたってわからねぇんじゃ本人に聞くしかねぇだろ」
「それはそうだけどさ…」

私らしくないと思う。
今までだったらわからないことや疑問に思ったことがあったらすぐに行動に移してその場で解決してきた。後悔したくないから。
でも今回は違う。
なかなか実行に移せないのは私自身が傷付きたくないからだと思う。
理由を聞くのが怖い。
そんな消極的で臆病な自分自身に驚いた。
前向きな所だけが取り柄だと思っていたんだけどなぁ。
それさえなくしてしまったんじゃ他に取り柄なんてない私はどうしたらいいんだろう。
巨人の餌になるしかないのか。そうなのか。
極端にネガティブな事を考えてしまってこれじゃいけないと頭を振った。
思っていたより彼に対する気持ちは大きかったみたいでびっくりだ。本当に今更。

「つーか何でいつの間にかオレがお前の相談役になってんだ?」
「なんでかな?なんとなくジャンには話せちゃうんだよね」

片思い仲間だからかなーあははなんて冗談交じりに言ったら笑えてねぇぞバカと溜め息を吐かれた。本当に重症だ。

「アルミンの事だ、ワケもなく突然他人を嫌いになるなんて事はないだろ。しっかり理由聞いてこい。帰ってきたら思いっきり笑ってやる」

慰めてるんだか貶めてるんだかわからない物言いだけど、それがむしろジャンらしくてなんだか笑えた。
ここでうじうじしてたって何も始まらないしむしろ気まずいまま終わってしまうかもしれない。
当たって砕ける勢いでやってやろうか。

「ジャンありがと。なんか元気出た。気がする」
「気がするだけかよ」
「玉砕するかもしれないけど行ってくる」
「おう。きっぱりフラれてこい」

フラれるの前提か、と突っ込みたくなったけど心の内に留めておくことにした。
今私がするべきことはジャンにツッコミを入れることじゃない。アルミンと話すことだ。
吹っ切れた私はたちが悪いって事を教えてあげる。



勝負と行こうか
本心を聞かせて





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