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ブルースクエアの刺客
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____________その、翌日。
本日ラストの講義を終えたはなこは
校門を過ぎていつも通り折原の事務所へと向かおうとしていた。先程の講義中に「今日もくるよね」と連絡が入った。毎日行く訳ではないが、行かない週は無いくらいで、あの事務所の常連と言えるだろう(無論客では無いが)。
そんな感じで今日はなんのお菓子を買って行こうか、と大学を出て徒歩3分のコンビニへ。
『(やっぱり芋けんぴは外せないよね。うん、よし。じゃあ臨也先輩のは……)』
と、その時。お菓子コーナーで本日のお菓子を選ぶはなこの横に、自分よりも恐らく年下だが自分よりも背の高い少年が現れた。
「あのっすいません。ちょっとお願いがあるんですけど…。道に迷っちゃって…」
きっと可愛がられる弟タイプだろう。しょぼんと眉を下げて困った表情ではなこを見つめるその少年は、携帯の地図アプリを見せてここまで行きたいと指で指し示す。
「3分くらいで行けるみたいなんで、あの…俺、どうしても行きたくて……案内してもらえないですか?」
『えっと……(悪い子じゃなさそうだけど、昨日静に怒られたし…)ごめんなさい。今から行くところがあるので…あの、ごめんね』
「えーっ!困ったなぁ…」
そう言ってどこか寂しそうな少年にはなこは、申し訳なさそうに『店員さんに聞いてみる?』と提案したが、「あ、それはいいです!」とキッパリ笑顔で断られた。
「ところで、お姉さんは今から何処に行くんですかー?」
『え?先輩のところだけど…なんで?』
「へぇ」
少年は”先輩”というワードに目を細め、ニヤリと笑いながらこう言った。
「先輩って、折原臨也ですよね」
はなこはピクリと反応する。この少年、さっきまで屈託のない純粋な笑顔を見せていたのに、今はまるで違う。なんでも知ってると言わんばかりの自信げな態度と、企んだような笑み。____________ああ、似てる。彼に似てる。私が今から会いに行こうとしていた先輩にそっくりだ。
『そうだよ』
知っているのなら嘘を言う必要もない。
『臨也先輩の知り合い?』
「そこは後輩?とか友達って聞くとこなんじゃないんですか?」
『先輩の友達も後輩も片手分の二くらいしかいないし、それ全員私も知ってる人だから』
はなこはそれだけ言うと高めのチョコレートをカゴに入れて、レジへ向かった。
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レジを済ませ、コンビニを出るとあの少年がいた。どうやら待っていたらしい。
『あれ、君まだいたの?』
「ハイ!ところで先輩ってダラーズですよね」
『うん。一応登録してる程度だけど…なんでわかったの?』
はなこは全く嘘をつかず、勝手に待ってはなこの足止めをしている少年にも怒らなかった。
「本名で登録してる人先輩くらいしかいないし、すぐわかりましたよ!この、はなこってユーザーネームですよね?あ、俺若葉マークなんで覚えといて下さいね」
『うん、わかった。…(ってなんでこんなに話してるんだろう。そもそもこの子誰?あ…そういえば制服来良。ってことは高校生)』
「ああ、すいません。自己紹介がまだでしたね。俺、黒沼青葉っていいます!下の名前で呼んでください!」
『…私ははなこ。よろしく青葉くん。
でも、なんで私に絡んできたの?』
そう、はなこが問うと青葉は無邪気な笑みで「あ、それはですね」と楽しそうに言う。
そして、また、怪しげに笑いながら「ここじゃ話せませんね」と言った。
『そう、じゃあ話せるところに行こうよ』
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