先生
今年の夏はどうにも蒸し暑く
月が見えてから聴こえる虫の音に
微かな涼を得る日々です
幼かったあの頃
---あぁ、あの日もやたらと暑い夏の日でした
勉学に身の入らない俺たちを
先生は川原まで遊びに連れて行ってくれた
水飛沫を上げ戯れる俺たちに
ずっと優しく微笑みかけてくれていたこと
川の中から手を振る俺たちに
笑って手を振り返してくれたこと
今でも憶えています
あの頃からずいぶん月日が経ちました
先生
今も 俺たちを見てくれていますか
俺たちの歩くこの道は
先生に教えて頂いた通りの
己の魂の道でしょうか
先生
俺の歩くこの道は
あなたの見据えた先に行き着きますか
いつか この道の果て
あなたに会うことが出来るなら
あの日と変わらない笑顔で
俺に手を差し延べてくれますか
2010年
高杉晋助
生誕記念
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