4.JOYのくつろぎ具合と春雨の雷槍






【※高杉キャラ崩壊注意】


結局。

カレーが食べられない(ていうか4人の中で自分だけ食べる物がない)辰馬のやさぐれ感にあてられて食欲がなくなった桂が、出前で自分用にソバを注文し、カレーを辰馬に譲る事でその場は解決。

「…高杉ィ、おめーよォ、」

一緒の器でカレーを食べる銀時が、スプーンで何かを皿の端に寄せている高杉に向かってボソッと一言。

「麦飯の麦ぐらい避けねーで食えや…。」

何故かライスは白米ではなく麦飯だった。

「…!」

高杉の手の動きがピタリと止まる。

「…銀時ィ…、おめーにゃわかるまいよ…。」

「は?」

「麦のあの真ん中の何か筋のような凹みのような感じが気味悪ィ事をな…!
俺にはそいつが腹立たしくてならねェ…!!」

「…………そうだね…。」


高杉の紅桜篇並みのいきんだ言い方に銀時閉口。


ズズズー…(ソバをすするヅラ)

「ねゃねゃ最近の大河ドラマ見ちょるが?そろそろわしの時代が来るにかーらん…アハハハ!」


「あっ、今日隣のペドロの25時間連続放送アル!」




せっかく皆でいるというのに、こいつらは。

どいつもこいつもてんでバラバラ好き勝手(笑)。




グダグダと時が過ぎ…


「高杉さん、お風呂わきましたから最初にどうぞー。」

「気が利くな、眼鏡。
じゃ遠慮せず入らせてもらわァ。
あとタオルくれ。体拭く用のでけーのと、顔洗い用の小せーのと、あがった後に首にかけるの。」

「…あ、はい…。」
(注文多いし細かいなオイ…!)


高杉が風呂場に行ってややすると…


ピンポーンピンポーン…


「おい、新八。誰か来た。」

「はいはい分かってますよ。ていうかあんたの家なんだから自分で出たらどうですか。」


ピンポーンピンポーン、


「新ちゃーん、迎えに来たわよー。」

「あっ、この声は姉上!」

大晦日は姉弟水入らずで過ごす予定の新八。

「じゃあ銀さん、神楽ちゃん、また明日!桂さんも坂本さんもごゆっくり。よいお年を!」

ウキウキ玄関へ向かう。

が…。


「ぎっ、ギャアアアァァァァ!!出たァァ!!今度はどっかの雷槍来たァァァァ!!!!」


さながら銀誕の高杉来襲の恐怖再び、玄関まで行って腰をぬかす新八。

「こら、だめよ新ちゃん、そんな言い方しちゃ。
神威さんはね、宇宙からはるばる神楽ちゃんを迎えに来てくれた、とっても妹思いのお兄さんなのよ。道に迷っていた所を私がここまで連れてきてあげたんだから。」

「何してんですか姉上ェェェェ!!」

「うるさいなぁ。少し静かにしてよ、眼鏡。お姉さんが傍いなかったら殺しちゃうところだよ。」

鉄仮面スマイルの神威はそのまま居間の方へ。


(…僕知りませんよ…。)





「神楽ちゃーん!」



「!!げっ、神威!」


「迎えに来たよー。さ、一緒に帰ろっか!年末くらい家族と過ごさないとダメだぞ☆」

うちの神威はシスコンなんです。

「お断りアル!」

「冷たいなぁ。まぁ大好きだから許すけど。
…ん?やぁ、おにーさん久しぶり。俺の神楽にちょっかい出したりしてないよね?」

「出すか!」

神楽の隣に座る神威。

「うわぁ、どんぶく姿もかわいいね、神楽。」

ぎゅうっ。

「うげェェ、離すネ!!」

「神楽は恥ずかしがりやだなぁ。」

「銀ちゃん!助けてヨ!」

「おにーさんはそんな野暮な事しないよね?」

「あーもうどっちでもいいっつーの。」


そこへ丁度風呂上がりの高杉が顔を出す。

「オイ、あがったぜ。」

「ほいたら、わし次入ってもえいかのー?」

「あー入れ入れ。」

「銀時ィ、牛乳。」

「は?」

「風呂上がりはまず牛乳って決まってんだよ。」

「………(鬼兵隊でいつもそうなの?)冷蔵庫に入ってんだろ。勝手に飲めば。」


その間も神威の口説きは続く。

「お兄ちゃん、神楽と一緒にいたいんだけどなぁ。」

「ウザいアル。キモいアル。願い下げアル。」



「金時〜。めったー、タオルどこにあるが?貸しとーせ。」

「あ゛ーもう適当にやってくんない?高杉の使い回しゃいいだろ。」

「まぁそれでえわ、ほいたら晋助、」

「濡れてんぜ?」

「かまんがかまんが。」


「ねぇ、おにーさんからも神楽に言ってくれないかな。」

「銀ちゃん!あたしをこんなシスコン兄貴のところになんて行かせないで!!」

「あーもう!うるせーよおめーらァ!!三日間貸してやっから行って来いよこの際!」

「さすが、話がわかるね。」

「裏切ったなこの万年金欠天パ!」

「やかましいわ!誰のメシ代のせいだと思ってんだ!」


「オイ、銀時ィ、酒。」

「あん!?おめーさっきまで牛乳飲んでたろうが!」

「飲み終わった。
次、酒。熱燗ねーか、熱燗。」


「あーっ!!もううるせーどいつもこいつも!!!」


「…あ、あつかん…。」


「さて、食器を片付けるか…。」(桂)


そうして夜は更けて行く。



(つづく)






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