雅美ちゃんに会う勇気が無くて、彼女が待機所へ向かう時間まで待ってから家に戻った。
雨で濡れた重いベストを脱いで、洗濯機に投げ入れる。
熱いシャワーを浴びながら、またナルト達にどやされるな、と溜め息をついた。
「おっそーーい!!」
「マジでいい加減にしろってばよ!!」
一応形だけでも急いで見せようと瞬身で集合場所へ行けば、予想通りの反応を見せるナルトとサクラ。
いつもならば道に迷ったとか人生に迷ったとか、なんだかんだ適当な言い訳をするところ。
しかし今日はそんな気にすらなれない。
「すまん……」
「えっ……?」
「えっ……?」
「……へぇ」
全く同じテンションで驚いて見せた二人に対して、サイは興味深そうに頷いて見せる。
俺が素直に謝罪にしたのがそんなに意外だったのか、じり、と煩いの二人は大袈裟に後退りまでして。
そこまで驚かなくても、とつっこむ気力も最早無かった。
こうなって改めて思う。
雅美ちゃんの影響力ってヤバい。
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