カカシ先生長編改造計画 | ナノ


上忍待機所「人生色々」で働き始めて今日でちょうど一週間。
扉が開いた音と、よいしょ、という聞き慣れた声に目を向ければ、たくさんのポスターを抱えたイルカさんの姿があった。

「イルカさん、お手伝いしますね。」
「ああ、どうもすいません!」

彼の手からいくつかのポスターを受け取り、待機所のベンチに下ろす。
筒状に丸められたポスターは、ざっと見積もっても100枚以上はあるだろう。

「お疲れ様です、すごい量のポスターですね。」
「いやー、これでもまだ半分なんですよー。
 ハロウィンはまだ1ヶ月以上先なのに、五代目は気が早くって…。」

困ったものです、なんて白い歯を見せて人の好い笑顔を見せるイルカさん。
張り切る綱手様の姿は容易に想像できて、私も笑ってしまった。

木の葉の里では毎年ハロウィンに忍達主催の元、仮装パーティーを行うらしい。
三代目火影が就任していた時に始まったイベントらしく、もう今年で5回目の開催だという。

ポスターの一枚を待機所に貼っていると、イルカさんが思い出したように手をぽんと叩いた。

「そうそう、雅美さんの歓迎会ですが、今週の金曜日になりましたよ。」
「あ…そうですか。すみません、何だか気を使わせてしまって…。」
「いえいえ、皆楽しみにしているようで凄い参加人数なんですよ?飲み屋一軒貸切ってやるそうです。」
「ぇええ!!?」

思いの外大事になってしまったことに、声を上げて驚いてしまう。
まだまだ知り合いと呼べる人なんてほとんどいないというのに、一体どうしてそんなことになってしまったのか。
本当にこの世界の忍者という存在は皆明るくて賑やかで、私の忍者に対するイメージをどんどん塗り替えていってくれるのだ。

(飲み屋を貸切りって………。)

深い溜息を吐きながらポスターを腕に抱える。
来たる金曜日のことを考えると、緊張から胃が痛くなりそうだった。



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