今日も雨、明日も雨。最近はお空がつんけんしちゃって雲をどけてくれませんよ。まるで君のようだね。夏真っ盛りだというのにどうなっているのかね、地球は。君がいるところはいつも晴れだってね。ん、知ってる。ほんとずるいよー、お洗濯物を部屋干しするとね、部屋の湿気がすごくなんの。わたしの髪の毛くるっくる。……可愛い?……あーあ……末期、末期、君の頭ん中末期……え?別に照れてなんかないもん。お黙りなさい。


……ごめん、なんて、何度も言わないでよ。罪悪感感じちゃう……いや、君と別れられなかった自分によ。……君は今、新しい土地で新しい生活をリスタートさせるっていうのにね。手放せなくてごめんね。でも君がいないと、わたし生きていけないって言っちゃって、縛って、こうやって未だ繋ぎ止めて……え?あ、嬉しかった?ほんとお互い、馬鹿よねぇ。


ねぇ光、わたしは大丈夫よ。大丈夫だから。毎日ちゃんと会社いってるし、一人暮らしだって順調よ。この前料理のレパートリーがまたひとつ増え……え?違うよ!ちゃんとした食べ物だもん、冷食じゃないってば!わたしだって馬鹿にできないくらい料理上手くなってるんだから。……食べさせてあげたいけど……だから、ごめんなんて……もうしょうがないじゃない。どうしようもないわよ。そっちにはうんと美味しい食べ物があるんでしょうね!……うんとか言っちゃってまぁ……まぁ、そうならよかった。心配いらないね。


光はもうわたしを忘れてもいいのに。辛いでしょう。毎日わたしに会いたいでしょう?……自惚れんなって……だって、顔。顔がそういう顔だもん。わかってるよ。わたしはもう、光がここにいなくても、光がいなくて寂しくならないよ。もうそういうことじゃなくって、いろいろ越えたの。愛してるから、わたしは大丈夫だよ。光は『ここ』にはいないけど、光はずっとわたしと一緒でしょ。わたしの心の中で生き続けるんでしょ。しつこいくせして寂しがりな光はわたしがらでてっていかないよ、どうせ。それにどこにいたって光は空の上にいるよね。わたしはそれでもう、十分なのよ。


「ようやく俺から卒業」……?……そうだね、君から卒業するの。わたしに姿を視せてくれて嬉しかったよ。五年もありがとう。やっとだわ。やっと貴方を還せる。……そんなに優しく、笑わないで……






あ い し て る






……うん。わたしも愛してる。
だからもうお盆の逢瀬は終わりにしよう。君はわたしがそこに逝くまで待ってて。 もうちょっとかかるけど待っていて。そして、その時はわたしを抱きしめて『がんばったな』って、光がいない一生を生きたわたしを褒めて。



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