明日帰るんだ。アルバムに詰まったエイリアと闘った日々をぱらぱらと見ながら思う。マネージャーたちが撮った選手分析用の写真からチームメイトたちの練習風景まで様々な写真が詰まったアルバムはずっしり重く、短期間に多くのことが起きて、終結したのを感じさせた。


鉄塔広場からみる町は茜色で、さあお帰りと手をひく母の、背をおす父のあたたかさが蘇るようだった。いつだか弟はまだ遊ぶのだと駄々をこねたことを思い出す。随分と懐かしい記憶のように感じた。
さて帰るかとベンチから立ち上がって歩を進める円堂に自分も続く。懐かしいな、ほろと零すと振り返ってそうだろ!と円堂が笑った。暖かい光をそのまま暖かいと受け止めたのが久しぶりのような気がする。それだけ自分は下を向いて歩いていたのだろうか。否、きっと違う温もりを求めていたのだろうな、行き着いたのはアツヤであり自分である彼の存在、そして円堂だった。そうか君が、太陽だったんだ。


なぜだかうれしくて堪らなくなってふふと声を漏らすとつられたかのように円堂もははっと笑った。



幸せだね。辛かったけど、幸せだね。




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