ふつうに不動と吹雪が雷門生

!吹雪が女子














今日のこいつは恐ろしく機嫌が悪かった。朝から眉間に薄くシワを寄せて、口は一文字。挨拶もしない。こいつの取り巻き状態になってる男共はどうすることも出来ずにただ周りを小蝿よろしくうろうろとさ迷うだけである。俺はそんなの気にする義理もないからただ放置。いや、関わりを持っていないから放置とは言わないか。



そんなことは朝のうちに忘れて、今は昼休み。いつもの如く小鳥遊と源田をからかっていると、珍しいことにサッカー部のキャプテンがガラガラとドアを開けて入ってきた。後ろには鬼道と豪炎寺。なァんだブレイク組じゃねえか、そう言うと三人は真っ直ぐ俺のところに歩いてきた。

「どうしたよ円堂」
「あのさ不動、今日吹雪がかなり機嫌悪いんだけど、なんか知らないか?」
「癒しがない!とか男共が騒いでるぞ」
「ああでもそんな吹雪もイイという声も無いことはないがな」
「あいつ意外と重要あんのな」
「ああ。供給量が全く足りていないがな」

あっそ。そりゃあ知らなかった。一人呟くとばっかじゃないのと隣で小鳥遊が鼻で笑う。
「あんたらホントに付き合ってんのォ?彼女の事くらい把握しろっての」
そんなんじゃ近い内に捨てられるかもねきゃははは!捨てられる明王見てみたーいなどと涙を浮かべて言う小鳥遊の足を蹴っ飛ばす。
「捨てることはあっても捨てられるこたぁねェぜ?誰が調教してると思ってんだ」
「アハハ!調教とかマジでやってんのォ!?ありえねぇわ吹雪ちゃんかわいそーっ」

ああもう腹痛すぎとか何とか言って小鳥遊は教室を出て行った。あとに残ったのは阿呆みたいに口を開けた源田とブレイク組。で、他に用あんのかよ暇人、声をかけるとはっと我にかえったそれぞれがあうあう言いながら顔をこっちに向ける。
「あのさ不動…」
「あ?」
円堂がさ迷わせていた目を俺のほうに戻し意を決したように拳を握って口を開いた。
「調教ってお前、」
本気か?
当たり前だと言う代わりににっと口の端を吊り上げると円堂と源田がうっと後ろに下がる。豪炎寺と鬼道は予想の範囲内なのか、あまり動じていないようだ。
「お前ならやりかねないとは思ってたけどさ…実際聞くと引くな」
「えっ不動ってそういうの普通にやるのか!?」
「普通にやるかは俺は知らんが真帝国学園時代はすごかったぞ。佐久間の皇帝ペンギン一号のペンギン達に首輪つけてランニングさせたりとか」
「猛獣使いか?だからあの赤ペンギンはあんなに強いのか」
「佐久間が『俺のペンギンがマッチョにいい!』ってよく練習後にべそかいてたな…」
ゴールキーパー同士で盛り上がっている脇で豪炎寺と鬼道は何をするでもなく話を聞きながら俺のほうを見ている。若干呆れの色が見えるが何か言う気はないようだった。

「本人達の問題だからあんまり言えないけど、吹雪はそれどう思ってんだ?」
「知るかよ。嫌ならとっくに別れてんじゃねえの?まあ捕まえたら俺が飽きるまで遊ぶつもりだし、嫌だとしても逃げさせねェ」
「鬼畜かお前」

流石の豪炎寺も軽く引いている。

「それにそろそろ来る頃だぜ」
そう言うのと同時に教室の後ろドアがカラカラと開く。不動くん、いる?そう言って入ってきたのはまだ少し眉をひそめている吹雪だった。






「なんで吹雪は不動なんだろうな」
吹雪と一緒にでていった不動の席に座って円堂が染岡とかいるのにな、と呟く。腕組みをして二人がでていったドアを見つめていた鬼道が薄く笑って首を傾げる三人に聞こえない音量であいつも年相応の男だなとひとりごちた。



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うっかりやってしまった不動×吹雪♀

すきだ




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