続 第2回ワタシ的バトル法
「さ、佐久早くん…!これこないだ、えっと」
「ゆっくりでいいよ」
私は必要だっただろうか、と思う反面ずっと初々しく大好きな人に会いに行く彼女をカメラに抑えつつ見守る。
「た、タオル、わたし触ってないので!ご利用前に洗ってもらって」
「洗うけど、そんなに気にしなくていいって前にも言った」
「ごめんなさい…」
「でもありがとう、今度使う」
「…!」
まるで最初、初めて推しに会った時のような
初々しい二人にほっこりして佐久早さんに一言
「そろそろあっちいったら。宮から視線がうざい。あんたいると毎回この後宮にジト目でみられる」
「侑さんにそれは言っときます、じゃあお言葉に甘えてもう行きますね、どうぞ友里ちゃんと仲良く〜」
「なまえさん!?」
手を振って行こうとした時侑さんの方から女性のキャアという声。
悲鳴ではなく、喜びのような声。
よく聞く声だしいつものかと思って向かえば先程SNSで見た服装。
「私宮さんのこと好きです!」
「はは、応援ありがとう」
「そうじゃなくて!本気で好きなんです!」
「それは嬉しいわぁ、けど俺彼女おるからごめんな」
「お前かーい」
「なになに?なまえちゃんなに見てんの?」
「あ、木兎さん」
後ろに使える子供が見えてないのか隣にいる女の子もこの子おすすめです!ってぐいぐいするし
「あ!俺あの子知ってる!毎回なまえちゃんのこと睨む子じゃん!」
「なんで木兎さんそれ知ってんの、びっくりした」
「なまえちゃんと話してると視線感じるからみたらいつもいたんだよねー、ツムツムと話してる時の顔がめっちゃこわい」
「なにそれこわ…」
聞けばしばらく前からずっとだったらしい。
知らなかったとはいえ面倒なのを彷徨かせていたらしい。
少し遠目でまた見ていればきゃあきゃあやる二人にそろそろ嫌気がさしてきたのか顔色が機嫌を悪くなってきているのが見えてきた
「そろそろごきげん取りに行きますね」
「行ってらっしゃい!」
木兎さんに元気をもらい、足を踏み出したときに聞こえた会話がガツンとわたしの頭に響いた
「サーブのときの声きこえました!?」
「はぁ?」
「え、俺より先にそこ反応するん?なまえちゃん」
「ごめんね、僕。待ったねぇ、このお姉さんたちわたし用事できたから侑さんとお話ししていいよ。」
「お姉さんは?」
「私はいつも話してるから僕しゃべっておいで」
ありがとう!と元気よく声を出した男の子を送り出して侑さんを見れば少し心配そうにしていた。
安心して欲しいこんなとこで大事にしないから
「ねぇ、なんで邪魔したの?いつもあんたいて話せないんだけど」
「そうだよ、この子ずっと」
「いや、構って欲しいからって彼のルーティーン邪魔していい理由になるわけ?私隣にいるけど、待ってる子供をずっと待たせることもしないししてるの剥がしですけど」
「だって、」
「だってじゃねぇよ」
「なまえちゃーん。お言葉とお顔の治安が今日一悪いぞ」
「萌絵果…」
「それに侑さんが彼女が心配してそれどこじゃなさそうだよ」
後ろを見ればさっきの男の子と話しつつもわたしの方を気にしてみている。
そんなに心配しなくてもいいのに。
「侑さんのこと好きでもいいよ、侑さんの認知もらうまでがんばってね。私が?あなたに?負けるとは思わないけど」
苦い顔をした2人を横目に体育館の床をけって笑い飛ばす萌絵果と佐久早さんの横で心配そうな顔をした友里ちゃんを連れて侑さんのところに向かえば心配したような顔をして汗だくな体で抱きしめてくれる、
「あれは俺がやかまし豚ってキレるとこやん。」
「小さな子供がいるところで大好きな人がそんな暴言言うとか見たくない」
「ゴメンナサイ」
その日のSNSでわたしは彼女に叩かれてたそうだが5chでは彼女たちが宮侑のサーブで声を出して私に文句をいったと言われていた。
ちなみにその日のSNSで侑さんはわたしが肩に寄りかかって眠り始めた時のわたしが少し映る写真を投稿して身内から自慢すんな。彼女の顔だけみせぇ。侑はいらん。とリプライが来たそうだ。
次の日、侑さんに彼女らのことを聞けば、知らんと一言。
「けど、なまえちゃんになんかするんならどうにかせんとな」
「なんもさせないし二度とサーブの邪魔なんかさせないよ」
「なまえちゃん男前…」
さて、次の現場はどうしてくれようか
3秒で剥がしてやると心に決めその日のオフを二人で満喫した。