あの日のその後

「昨日の件すんごい話題だけど、ねぇ、なまえさん」
「えへ」

えへじゃないわよ、と少しのため息をつく上司。
先日めでたくVリーグの選手の宮侑さんとお付き合いが始まったのだが告白を返した場所が悪かった。


「体育館のど真ん中って、そらネットも騒がれるわよ」
「な、流れで、そうなっちゃって」

その日はSNS系のニュースのトップ記事になったし、テレビニュースにもなってた。
ちょっと5chとかに晒されたけどそんなの気にしない。
侑さんのりあこいるか知らないけど、一気に牽制できたし、個人的には万々歳だ。まぁ侑さんの方は広報かなんかの人に怒られたらしいけど。まぁ、そりゃ国内トップリーグの選手があんなとこで公開告白したら騒ぐよね、上の人も大変だ。


「でも、まぁやっとあんたが落ち着いたの考えると宮さんだっけ?には感謝しなきゃならないね」
「じゃあ、来週有休つかって名古屋」
「それはだめ日帰りして」「けち」

付き合い始め、しかも遠距離、電話はしてもらえるけど、やはり気を使うから自分からはあまりかけずラインのみ。
待ち受けを眺めて、ため息を吐く。

「本当に好きなのね」
「めっちゃ好き。クソ重い彼女になるよってこないだ付き合う前に伝えました」
「たしかになまえの愛はいつも重いわね」

先輩と談笑していれば噂をしていたのを読んだかのように侑さんからの連絡が入る。
内容は再来週の平日にオフができたとのこと、来週でリーグも終わるから1泊2日でそっちに行くと。

「ねえ!先輩!再来週有休!くださいデートお泊まり!」
「ゆらすなあほ、半休と1日有休で手を打ってあげる」
「先輩、大好き」

次の試合は日曜日で弾丸すれば行ける距離なのであきらめて日帰り弾丸ツアーの予定を自分の中で決めて、再来週は侑さんとデートすべく、おしゃれもしなくてはと心に決めた。




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