「あかん、何送ればええんや」
「まーだやっとんのかい。」
「マジでわからん。女の子ってなんて送ったら喜ぶん」
「童貞今までカノジョなしか、無難な話したらええやろ」
ホテル帰宅後、連絡先をもらったのはいいがどう連絡すればいいものか。かれこれ1時間は考え込んでいる。あきれた片割れが声をかけてくるくらいには。
「っは!いくつなんやろ!聞いてへん」
「そこからやろ。てか聞いてへんのかい」
「話す前にあっちが呼ばれたんやからしゃーないやろ!」
「てか、彼氏いるかきいたら?」
「それもや!角名さすが!」
「治が一目惚れとかまじだったのか」
ラインのトーク画面を新規作成し、当たり障りのない内容を送る。
突然声をかけてすまないということともう一度名前、あと歳も、
誤字はないか、文脈はおかしくはないか、最後まで確認し送った。
「返事くるやろか」
「なんやねん、ほんま。大会中なんわすれとるんか」
「流石にそれは」
ケータイがラインを知らせ、名前を見れば彼女かはの返事であった。
梟谷学園、男バレのマネージャー、歳は一つ上で高校3年生、好きな食べ物はおにぎり。
「一個上やったんや…!」
「よかったなー」「侑飽きてきてんだろ、最後まで相手してやれよ」「角名がやれや」
周りの声など耳に入らず、そのあと30分は彼女と連絡を取り合った、最後は彼女から明日も試合なんだから早く寝て明日に備えてね?うちと当たって負けてもそれは理由にならないからね。と言われて速攻布団に潜り込んだ。
「明日も、会えるやろか」
「うるさいで!サム!梟谷のとこいきゃ会えるやろ!」
「お前らえぇ加減にせえよ、はよ寝ぇや」
「うぃっす」
今日きっと最後の連絡になるラインは俺からでもう寝ます。明日は絶対調子ええんで俺たち負けませんよ。
また明日、会えたら嬉しいです。と打ち込み送った。
そのままやはり疲れなのか睡魔に襲われ睡眠についた。
「おはよう、今日もがんばれ……」
「何?アレ。」「昨日の梟谷の」
「あぁ、何?連絡きたの?」
「おはようございますって送ったら返事来たらしいわ」
「そゆこと」
朝起きて、きっと忙しいとはおもいつつ、おはようございます。と送った。送った後にしつこいかと思ったがあいさつと一言まで添えてくれた。
「えぇ人やなぁ」
「サムー、はよ行かんと食いっぱぐれるで」
「今行くわ!食うなよ。ツム」
「食わんわ!!」
あぁ、はよ、一瞬でもええからあの人に会いたいとふわふわとした気持ちで朝食に向かった
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